「おおきな存在」
うまく言葉にならない
こころの内が
伝えられなくて
もどかしい と
どんなに近づいても
身体の厚みのぶんだけ
まだ遠い と
傷つけるとしても
この感情の渦を
発さずにはいられない と
目にみえるものだけで
愛を確かめようとして
くるしい と
ふたりの未来が
見えそうで
見えなくて
不安だ と
眠りにつくときには
湯たんぽのような
あなたのぬくもりを
感じたい と
動かされるこころが
痛くも、
あなたが
どんなに
おおきな存在か
を教えてくれる
わたしの愛が
あなたに
届きますように
もっと辛抱づよく
もっと晴れ晴れと
もっと伸びやかに
あなたを愛していたい
あなたに愛されたい
#不条理
自分の体が小さな、けれど殺傷能力のあるトゲや刃で覆われているような気がする。
自殺しようとする人間が、刃物を振り回して、くるな!来たら刺すぞ!と言っているようなあれ、とも近い。
傷つけるのをわかっているから、どうか誰も今の私には近づかないでほしい、とも思う。
といいながら、ほんとは、体に刃が刺さってでも私を抱きしめに来てくれる人を求めている。
「不安の正体」
ふあん、は、
どこからともなくやってくる
あのときのわたしは
どうしていまのわたしになってしまったの
あのときに思い描いたみらいは
こんなはずじゃなかったのにな
あのときのがんばりは
どこに消えてしまったのだろう
一直線、でなくてもいいけれど、
せめてつながっていると思いたかったな
かこのあれこれ
なにも、ふあん、ではなく、
だれとも、くらべる、ことなく、
まわりにはゆかいな人がいて
まいにちが楽しくて
自分がすきで信じられて
みらいに希望があって
そんなころの自分に戻りたいなぁ
それがいちばんのねがい
「行末」
結局のところ
わたしたちは
人の目を気にして
つなぎとめて
急ぎ足で
効率よくふやして
人の波に飲まれて
おぼれて
意味があるのか
ないのかわからないことを
ただ繰り返して
結局のところ
わたしたちは
どこに向かっているのだろうか
変化
それは がらがら と
音を立てて壊れるようなものではなく、
スノーボールの周りが ほろほろ と崩れて
中から実は声をひそめていた、
小さなまあいる真珠が生まれ出てきたような
花水木の薄い花びらが ほわほわ と
柔らかく優しく開いていくような
そんな
静かでいて
でもなにかが決定的に変わる
静寂の中の凛とした音をはなつもの。
どきまぎしたり、
じたばたと暴れ回りたいような
落ち着かない気持ちに襲われることも多々あるけれど。
まっすぐにすすめばいいんだ
変化の先に生まれ出ようとするわたしを信じて