Rin

Open App
2/5/2023, 1:57:39 PM

「昇華しようか」

花粉症は自分の持っている花粉の許容量を超えると
発症するという

好きなものでもあんまりに食べすぎると
嫌いになるという

ガマンはしすぎるとこころのコップが
溢れかえって洪水になる

どうにもならない思いを抱えたとき
一刻も早く消化したいと思う気持ちが生まれる
跡形もなく消え去れと

同時に芽生える思いもある
この思いよ留まれ
いつの日か言葉となって歌となって形となって
昇華される日の蓄えとなるべく

自分の肉体をこころを使って得たことだ
せっかくなら天高く昇華させたい


#溢れる気持ち

2/4/2023, 2:14:26 PM

「アメリキス」

右目左目鼻唇
じゅんばんに
ていねいに
口づけをして

くしゃみをしてしまうほど
穏やかで
ひゃっくりしてしまうほど
素朴なもの

仏映画の中にでてきた
恋のかたちに憧れた

へんてこりんさを
そのまま愛して
身体中を口づけで埋め尽くして



#kiss


「ひとひとと」

1年で赤子はまだ土踏まずのない柔らかな足を大地に根ざし
10年で出会い別れ、すすむ道を照らし
100年で1人の人間の命は燃え尽きる
1000年でどれほどのものが生まれ死に、変わりゆくだろう
ぱらぱらとめくれていく日々の重なりと
ふっくらとずんぐりと厚みを増していく月日の重み
ひとひとひとひと
ひ と ひと と
歴史はそうやってつくられる



#1000年先

2/1/2023, 1:52:16 PM

「ブランコ」

ちょこんと乗ったとき
生まれたさざ波
膝をうんと伸ばし曲げを
しているうちに
大波を呼ぶ

地球には真下に落ちる力しかないと思っていた
それがこんなに高く伸び上がる
まるで地面から離れたがっているように
ずっと揺られていればいつか
宇宙まで流れつくみたいに

摂理から切り離されて
自由になった身

今度こそ 今度こそ 今度こそ
とぶ



#ブランコ

1/28/2023, 11:59:01 AM

「魅惑」

夜空の星よりも
手に届く星を求め
憧れの街へ揺られる

きらびやかな
ライトに彩られた
規則的な石だたみを
かかとを鳴らして
くるくる歩く

ロウソクを溶かすような
ギターのリズムに合わせて
切り揃えられたての
髪の毛が跳ねる

魅惑的な場所に
行くのは
とっても恐ろしい

こころときめくのは
いっしゅん

そのうちに
帰りたくない
という欲望と
たたかわなくては
ならない

自分を騙して生きている
自分に出会ってしまうのが
怖いのだ



#街へ


「やさしくつよく」

はじめに
優しくありたい、
が先にあった

人に対して
生き物に対して
自分から出る
言葉も
行いも
みんな愛から
生まれればいいと

優しくあることを
信条としていた
わたしに
ある先生が
声をかけた

いつも、みんなに
優しくいるのは
しんどいでしょう

どんな状況でも
一筋の光となるような
優しさを
持ち続けるためには
優しさよりも
もっと
強さが必要なんだよと

いま
強くなりたい
地中ふかく根を張る強さ

まわりを枝で包み
葉をつけて
木影でやすむ
あなたの木漏れ日になる



#優しさ

1/26/2023, 12:21:01 PM

「闇夜」

愛している
と言ってくれる人のことを
ないがしろにし

まだ見ぬ
誰かを夢みている

自分のこころが
どこにあるか
わからなくなるとき
世界が崩れ落ちる
音がする

どうして
毎日笑っていられたのか
どうして
机に向かって努力できていたのか
どうして
はじめましての人とも
にこやかに話すことができていたのか
どうして
未来に希望があると思ったのか

すべてわからなくなる

自分の実態が
闇夜にとけてなくなる

何も考えたくない
進みたくない
みんな止まっていろ
置いていくな

駄々っ子のように
書き殴った言葉たち

こんな気持ちは
今晩の闇の中に置いていけばいい



#ミッドナイト

Next