【時間よ止まれ】
人間というのは実に脆い生き物だ。
今まで見た人間は皆、100も生きられなかった。
だがアイツは100を過ぎても生きている。
そんなアイツもこの頃は弱々しくなってしまった。
嗚呼、あぁ…お前まで私を置いていくのか。
お前が死ぬくらいならこの世界の時など止まってしまえばいい。
【君の声がする】
いつも君のことを考えてるんだよ、忘れたくても忘れられないんだ。
花が咲くように笑う顔も、可愛らしい仕草も、僕のことを呼んでくれる優しい声も。
君といなくなった後でも僕の頭の中では君の声がするんだ。
この生涯で君以上に思える人はもう二度といないだろう
【ありがとう】
「貴方が死ぬ時には私も一緒に着いて行くって約束をしたね。だけど私には貴方以外にも生きる理由が出来ました。だから約束を守ることはできない、ごめんね。これまで幸せにしてくれて私に生きる理由をくれて、ありがとう」
そう言う彼女は泣きながら、でも何処か幸せそうな顔で自身の腹を摩った
【そっと伝えたい】
私の音はあなたにだけ届けばいい。
「すきです」
その音を今あなたへ
【未来の記憶】
夢を見た。私が密かに思いを寄せている彼と結婚する夢を。
「まだ付き合えてすらないのに結婚とか…はぁ…」
それにしてもやけにリアルな夢だったなぁ、
「…ん?」
周りをよく見渡してみると雰囲気はよく似ているが私の部屋ではない
「えっ!?」
私は確かに昨日自分の部屋のベットで眠ったはずだ。ここは何処だろうか?
?「大きな声出してどうした!?」
「誰っ、?…って、え?香山くん!?」
どうして目の前に私の好きな人がいるんだ?もしかしてまだ夢の中にいるのだろうか。でも、私の知っている香山くんとは雰囲気が違うような…
すると香山くんが口を開いた
「香山くんって…今はかなでも香山だろ?」
「私も…?」
目の前の彼は今何と言っただろうか?かなでも香山だろ?私の名字は松林のはずだ。
「まだ夢の中なの…?」
思わずそう呟く
「いつまで寝ぼけてんだよ。俺たち結婚しただろ?"一ヶ月前に"」
一ヶ月前…?一ヶ月…
「あ、」
そうだ。私は結婚したんだ、学生時代の思い人である香山くん…いや、圭人と。
「ごめん、だいぶ寝ぼけてたみたい」
「しっかりしろよな〜、ほら朝ごはんできてるから食べようぜ」
「うん、ありがとう」
あれは私の夢じゃなく過去の記憶だったらしい。ただ私は寝ほげて夢での出来事だと思い込んでいたからもしかしたら未来の記憶だとも言えるかもしれない