【ココロ】
僕の家には子守りロボットがいる。まだ小さい弟の世話で僕に構ってやれないからと導入したらしい。僕はロボットじゃなくてママやパパに構って欲しいのに。
子守りロボットの名前はルザルト。ルザルトは何故かいつも僕の近くにいる。
どうして着いてくるのか聞いたら「ゆうと君と一緒に居たいからです」と言われた。
どうせ、プログラミングされただけに違いない!
だからママたちに一度
「ロボットなんか僕は好きじゃない!」
って言ったんだ
そしたらママたちは
「ルザルトにだってココロがあるのよ!」
と僕を叱った。
あるわけないじゃないかこんなロボットに。子守りロボットなんて言われてるくせに同じ言葉しか繰り返さない、後をついて回ることしかできない、一緒に遊ぶことだってできないのに。
ママもパパもロボットも弟もみんなだいきらいだ!!
【星に願って】
「お星様にお願い事をしたら夢は叶うのよ」
それが母の口癖だった。なんでも母は小さい頃に星に願い事をしてそれが叶ったらしい。
「ふーん、」
けれど私はそこまで信じていなかった。星はただの星。 だってそうでしょう?流れ星ならまだしも普通の星のことだもの。
…それに、母を助けてくれって星に願ってみたが叶わなかったんだから。
願いを叶えてくれる星が好きでいつもお願い事をしていた母は昨日、願いを叶える側になってしまった。
普通の星を信じることはできなかったけど母の星なら信じてみようか。
「必ず見つけ出して見せるからその時は私のお願い事を叶えてね、おかあさん」
【君の背中】
僕たちは二人で一つだった。バカをするのも授業を抜け出して叱られるのも、どんな時だって一緒だった。
だけど君は、僕とは違う人と仲良くなって僕よりその人を優先するようになった。
気づけば僕は置いてけぼりで君の顔がぼんやりとしか見えなくなっていった。
嗚呼、大好きだった君の背中をこんなにも憎らしく感じてしまう日が来るとは思っても見なかったな。
【遠く…】
ここから離れた遠い場所へ彼が一緒に連れて行ってくれるといっていた
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…けど、彼はわたしを連れて行くことなく遥か遠い手の届かない場所へ逝ってしまった。約束したのにね