時間よ止まれ。
このまま。幸せなまま。楽しいまま。
誰も何も欠けることなく。
あの人達に、愚かだと言われようと、嫌われようと、かまわないから。その方が、ずっとましだから。
お願いだから、時間よ止まれ。
夜の闇の中、きらきらと輝く明かり。その景色はさながら、電飾の海を眺めているようで。どこか知らない別世界に来たような気分になる。
CMなどで聴いたことのある会社や企業の本社と見られるビルの看板。近未来を感じるマンションの青い光。本当に存在した109のピンクネオン。
物理的にも心理的にも、眩しかった。
私だけが知っている花畑がある。
花畑を、荒らされたこともあった。
何とかやり過ごすために、自分で花を間引きすることもあった。そうしていたらいつの間にか、花畑の存在を忘れていた。
久しぶりに帰ってみたら、随分とひどい有様だった。でもそれが私には、どうしようもなく愛おしく、大切な景色に見えた。
いつか、ここを美しいと言ってくれる人に、案内してみたい。
幸せでした。
貴方と出会えて、貴方の側で貴方を支えることができて。
もし先に私が死んでしまっても、悔いはなかったんです。貴方のためにこの命が燃え尽きることは、本望ですから。
でも、貴方はそれを許さなかった。ご自分の命を燃え尽かせた。
何で、燃え尽きても良い命が残り、燃え尽きてはいけない、燃え尽きてほしくない命が消えてしまうのでしょうか。
こんなことを言ったら、言い訳になってしまうかもしれないけれど。
私、出会った時からずっとあなたが好きだったようです。自分でも気がつかなかった。
誰もが、持っていた方が世渡りをする上で楽だと考える心を、あなたは持っていません。決して、非情というわけではないのに、どこか冷たさを感じてしまう。でもそれは、誰よりも考えているから。
ためらわずにはっきりとものを言う強さもある。
そして何より、その人を守るためにその人を傷つけることができる。
だから、誇り高くありたい私はあなたに屈して、あなたに本気の恋をしたのだと思います。