なんで先にいっちゃうの?私はあなたがいないと明るくいられないの。あなたがいつも明るく照らしてくれていたから私はみんなにも明るくすることができたのに。ほら、みんなを見てください。あなたがいなくなったせいでみんなが明かりを求めています。あなたは私...私たちの希望の光だったのに
【太陽】
神様が舞い降りてきて、こう言った。
『おまえの願いを1つ叶えてやろう』
「お願いです神様。私の髪を増やしてください!」
『...ふむ。よかろう。それっ!』
パァァァ
次の日から良い事が起こり続けた。いつもいじめてくる上司は左遷され、仕事を認められ給料アップ、更にはストレスがなくなり肥満体質が治り、自分に少し自信がつき、彼女まで出来た。
あぁ、神様ありがとう。しかし神様、貴方に1つ伝えたいことがあります...それは
「神様(守護神)を増やせじゃなくて、髪を増やせって言ったんだー!!」
ストレスがなくなり髪が増えるかと思いきや、むしろ減る一方だ。
するとまたも神様が降りてきてこう言った
『神と髪、おまえはどちらをとる?』
私は迷わずこう言った
「カミだ!」
「任務終了です」
『おぉ〜、早いね。お疲れ様。後始末はこっちで手配しとくから君は帰ってきて』
「了解です」
この仕事を初めてもうすぐ1年が経つ。私の家系は殺し屋家系で15歳を過ぎたら仕事を始めさせられる。殺しの対象は捕まっていない極悪人だったり、汚職している政治家だったりと悪に染まっている者に限定しているらしい。【誰かのためになるならば、この手を染めてみせよう】これが家訓だ。今回の対象も悪事に手を染めていたらしいが...
<お父さんまだかな〜>
« きっと仕事が忙しいのよ。ほら先寝ましょ»
この対象には家族がいるのだ。妻と子が1人。子どもはまだ小さい。身辺調査をしているとわかったことがあった。子どもが夜遅くまでお父さんが帰ってくるのを待つくらい仲の良い家族だったのだ。私がさっきそれを壊してしまった。不特定の【誰か】のために3人の幸せを奪ってしまった。
「なんで誰かの中にあの二人は含まれなかったのだろう」
思わず吐露してしまった
LINE〜
【無事就職出来ました!皆さんがアドバイスしてくれた〜〜】
あ〜あ、まただ。一生この中に入れば安全なのになんでみんな出ていくのだ。例え、ここから出たとしても結局は大きな鳥籠の中に捕えられるんじゃないか。だったらこの小さな鳥籠の中でゆっくり生活すればいいのに。...何幸せそうにしているんだよ
.
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『結局あいつ同窓会来なかったな〜』
「あいつ?」
『ほら、受験失敗してからずっと引きこもってるって奴』
「ああ、あのプライド高そうなやつね。確かまだニートしてるんじゃなかったか?」
『あいつずっと甘やかされて育ってそうだったしな〜。失敗したという現実が未だに受け入れられてないんじゃないか?』
「それもそうだけど、親御さん優しそうだったし、まだ甘やかされてるんじゃない?」
『肥えた鳥は鳥籠から出ようとは思わないよな〜』
友情なんてなかった。ただ寂しいからみんな集まってただけ