「おかしい」
僕はスマホを見て思わず口にした。
「リトー!合格発表のメール届いたー?」
下の階から母の声が聞こえ、同時に階段を上る音が聞こえてきた
ああ、どうしよう。なんて言い訳しよう。
そんな事を考えながら、僕は理由探しに記憶を遡った。
先生「おお!◯◯大学に行くのか!お前ならできるぞ!」
友達「ええ!今回も学年1位?!リト君すごいね〜!」
母「貴方は出来る子だから大丈夫よ!」
蘇って来るのは周りからの期待、憧れ...当時の僕はみんなからの眼差しに優越感を覚えていた。しかし、それに驕らず、懸命に努力したはずだった。
そんな考え事をしているとクラスLINEからの通知が
「△△大学合格した!」
「おめでとう!」
「私も合格出来たー!」
ああ、やめてくれ。今言い訳を探してるんだ。こんな感情を抱きたくない
気持ちの整理がつかないまま、扉のノック音がなった。そして扉が開く。
「ってどうしたの?!そんな顔色悪くして」
...もう言うしかないのか?でも言ってしまったら...
「母さん...ごめん。僕....
僕この瞬間初めて劣等感を覚えた。
これまでずっとなんでもできると思っていた
これまでずっと人気者だと思っていた
これまでずっと楽しいと思えていた
これまでずっと幸せと思えていた
これまでずっと生きていて良いと思えていた
僕の彼女は毎日必ず僕が寝る前にLINEを送ってくる。約1年間ずっと送られてきた。初めは嬉しかったが日が経つにつれだんだん恐怖心に変わっていく。
「もうすぐで1年か」
丁度日付が変わり起きた後の予定を考えていた。きっと彼女は僕のことを心配しているだろう。
「もうそろそろ逢いに行かないとな」
今まで逃げてきたが,彼女に「もう大丈夫」を伝えるために
僕はスマホのカレンダーに『お墓参り』と入力し,ベットに入った。
すると今日も1件のLINEが送られてきた