6/30/2025, 11:32:06 PM
遠くの方で、黒い雲が激しい雨を降らしている。風に煽られ斜めに降り注ぐその様は、風にたなびくカーテンに似ている。
時折ビカリと光る稲妻と、遅れてやってくる轟音を聞きながら、どうかこちらには来ないでください、と祈ってみる。
嫌いなのだ、嵐は。心をざわつかせるから。
私の祈りも虚しく、雨のカーテンはこちらへ近づいてきている。
このあと窓を打つだろう雨の激しさを想像すると、気が滅入ってくる。
同じフロアの同僚たちも、雨の気配に少し浮き足立っているようだ。
私は、帰るまでには止んでくれよ、と祈りながら、ひとまず仕事に集中しようと、デスクへ向き直った。
6/29/2025, 11:04:03 AM
青く深く 後日書きます
6/26/2025, 11:44:30 AM
最後の声 後日書きます
6/26/2025, 8:17:30 AM
小さな愛 後日書きます
6/25/2025, 9:21:21 AM
荒れ果てた庭園。お祖母様がまだご健在だった頃は、この庭はよく手入れされ、今の季節には薔薇が美しく咲き誇っていたものだが、今や見る影もない。片田舎の領主である我が家の財政は傾き、庭師を雇うこともできなくなったのだ。
かつての美しい庭園から見上げた空は爽やかで輝かしくて心躍る蒼色だったのに、今、空はこんなにも遠くくすんで見える。
現状から抜け出したい。でも、貧乏貴族の次女である私には、自らの力でこの現状を打破することは難しい。
閉じられた世界の中で、ただ遠い空を見上げ、今はもう届かぬ輝かしい過去に想いを馳せることしかできないのだ。