『病室』
病院は行ったことある。
診察室も入ったことがある。
でも病室は入ったこと無いなあ。
…入ってみたい
入るためにはまず怪我しなきゃだよね〜。
病気でもいいのか。
ん〜…めんどくさそう。
今はまだいいや!
そう思った小さい頃の僕の気持ちは、今はもう思い出せない。
たくさんの花が入った花瓶、元気づけるための言葉が綴られた手紙、気を使い続ける友人、白い部屋…
…今の僕からすれば、見飽きたいつもの光景に過ぎない。
『明日、もし晴れたら』
ふわりと香る、雨の匂い
可憐に咲く、色とりどりの花たち
明るく響く、君の澄んだ声
あの花屋は僕のお気に入りの場所の一つ。
いつ行っても変わらず居心地の良いところなんだけど、
雨の降った次の日に行くのが特別いいんだ。
たまに行くからっていう良さもあるんだけどね。
そういう楽しみもあるから、雨の日はそれほど憂鬱には感じない。
今日は雨か。明日はどうだろう。
…明日、もし晴れたら
久しぶりに行ってみようかな。
『私だけ』
皆の話についていけなかったとき
皆が楽しんでいるのに楽しめなかったとき
皆が笑っているとき
皆が盛り上がっているとき
皆が自分と違うとき
ふと、自分だけが取り残されているような気がして
自分だけが余っている気がして
何度か不安になって、ちょっぴり悲しくなる
『私の名前』
私と同じ名前、世界にたくさんいるんだろうな。
紛らわしくて分かりづらい。
文字数が少なくてアレンジもできないから、皆同じ呼び方。
何でその名前にしたかって言うとね、最初に見たときに「白い」って印象が強かったからなんだって。
この名前は世界でたくさん使われているけど、あの人に名付けてもらったのは私だけなの。
だからすごく気に入ってるんだ。
「シロ!」
あ、呼ばれたみたい。は〜い、今行くよ!
「ニャァ〜」
『1件のLINE』
ピロンッ♪
…LINEか。
私は重い体をできるだけ早く動かしてLINEを開いた。
「おすすめスタンプ―」
公式かいっ!!
たった1件のLINEでここまで一喜一憂するのは、
君のせいなんだろうなぁ
『七夕』
織姫と彦星は多分、1年でこの日を一番楽しみにしてるんだろうな
普通は浮気とかしたくなるものなんだろうけど、
ずっとお互いを想いあって
ずっとこの日を待ち続けて
ずっと愛し合ってきた
…いいな
早く来ないかなぁ
私の彦星(笑)
ま、私だったらどうにかして天の川を超えて、彦星を迎えに行っちゃうけどね〜