「つまらないことでも」
つまらないことでも精一杯に楽しみたい。今日はつまらなかった、と言いたくない。そう思いながら、今日はなんだか気が乗らなくて面白くない一日だった。
だからこそつまらないなんて言いたくないと強く思う。人生はたった一回しかない。今、この歳のこの夏は一度きりしかない貴重な時なのだ。その貴重な時をつまらなかった、なんだか面白くなかった時で終わらせたくない。自分がつまらないと思うことはやらないで、満足できるような日にしたい。
つまらないことでも精一杯にやればつまらない日にはならない。しかしつまらないことをつまらないと思いながらやると途端につまらない日になるのだ。
たとえつまらなかったとしても、何か面白いことを見つけたい。そうして今日という貴重な日を、何か一つでも面白いことをした日にしたい。
その鳥はずっと鳥かごの中にいた。鳥かごの暮らしは快適だった。いつも清潔で、三食美味しいエサが与えられて、可愛がられた。鳥が歌うと飼い主は笑顔になった。
だが、鳥はいつしかこの生活に満足できなくなってきた。鳥かごの外に広がる世界を見てみたいと願うようになった。
そして鳥はある日旅立った。外の世界は辛いことがいっぱいだったが、誰の力も借りず自分のつばさで飛び自分の力で生きると充実感で満足出来た。
その鳥は鳥かごの生活を捨て、外の世界で生きることにしたのだ。
「目が覚めると」
目が覚めると、どうもいつもと違う感覚がした。体が軽くて、頭がふわふわして、自信がみなぎっていて、今ならなんでもできるような気がする。
いつもなら眠くてたまらなくて布団から出られないのに、今日はなんの躊躇いもなく起き上がれる。
なんでだろう。いったいどうしてこんなに気分がいいんだろう。
うーんと伸びをすると、頭が冴え、益々元気が湧いてくる。空も飛べるような気がしてぴょんっと跳ねてみると、驚いたことにそのまま宙に浮いた。
体がいつも以上に軽かったのはこういうことか。
一人納得して、空いていた窓から外に飛び出してみる。
外は目がしぱしぱするほど明るくて、真っ青な空が眩しい。ふわふわとやわらかそうな雲が浮いている。
少し涼しいが、布団であったまっていた肌にはその冷気が心地よかった。心地よい風も吹いている。
青やピンク色、黄緑色の綺麗な小鳥たちが近くを通ったのでついて行ってみた。
小鳥達は世界の綺麗なところ、気持ちいいところを知り尽くしているようだった。
一緒にたくさんのものを見て、また家に帰ってくる。
気持ちのいい朝の飛行が終わって、今日という一日が始まる。
今日はきっといい日になるだろう。