箱庭メリィ

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6/29/2023, 9:29:42 AM

湿気の強いじめじめする部屋
雨のカーテンを開けたら
まぶしい太陽の外に出た

夏が来る


/6/28『夏』

6/27/2023, 6:42:06 PM

どこかへ行きたいんだよね。
ここではないどこかへ。

どこでも行けるドアがあれば、
開けて駆け出していきたいほど。

けれど、ぼくはそんな青い希望なんて持っていないから。

せめて、君が呼んだらすぐに駆けつけるよ。


/6/27『ここではないどこか』





触れたら壊れてしまいそう。

細くて白くて儚げで。

だから硝子ケェスに容れておくのさ。

誰にも汚されぬよう、誰の手にも触れられぬよう。

僕がきみを破瓜(たべ)るまで。


/6/25『繊細な花』

6/26/2023, 6:59:01 PM

あなたと最後に会った日。

あなたはベランダでタバコを吸っていましたね。

「こんなとこで吸ってるとバレますよ」
「また校長に叱られますよ」

そんなことを言うとあなたは、いつものようにニヒルに笑って

「バレなきゃいいんだ」

と親指でタバコを弾いて灰を落としました。

どうしてか、その日に限って、その笑顔がとても寂しく見えました。
森の木々のおかげで陰る夕焼けが、よりそう見せたのかもしれません。

早く帰れと言われたので、教室を出ようとなんとはなしに扉に手をかけて振り向きました。
珍しく手を振って見送ってくれました。


あれが気のせいではなかったと気づいたのは、翌日の朝でした。
あなたはもうこの世にいないことが、朝礼で告げられました。


/6/26『君と最後に会った日』

6/25/2023, 9:46:09 AM

ただ心身ともに健康でありますように

迷いなく続けていられますように


/6/24『1年後』

6/24/2023, 6:59:47 AM

子どもの頃はただ信じるだけで良かった

疑うことなんて知らずに

騙されず騙さず
見聞きするものはすべて真実

だったのに――――


/6/23『子供の頃は』




これは夢だ。
わたしは今、夢の中にいる。

(これが明晰夢ってやつなのかな? だったら今すぐ覚めてほしい。なぜなら――)

何故なら今、わたしは何かに追われているから。
それが何なのかはわからない。
けど、とても怖い。

後ろを振り返って確認したいが、とてもそんな余裕はない。
もつれそうな足を懸命に動かして走る。走る。

(バス停のあるビルを曲がれば少しはまけるだろうか!?)

知らない場所のはずなのに、その先に何があるかを理解していたわたしは、まっすぐ行くと見せかけて角を曲がった。
追いかけてきた何かは目論見通りすごいスピードで直進していった。

(これで一安心)

路地の影から何かが通り過ぎるのを見て息を吐いた。
しかし頭の奥で警鐘が鳴っている。“わたし”ではないわたしが言っている。神視点のわたしが言っている。安心するのは早いと。

それを頭のどこかでわかっているのに、何かをまいて気を抜いた“わたし”は気づかなかった。

何かが過ぎた通りを背にし、路地を通り抜けようと前を向いた時。

“それ”は目の前にいた。
息を呑む。
形は同じだが先程と別の個体だと何故かわかった。
だが危機的状況は同じ。

(やばい!起きろ!起きろ!)

体が硬直する。動けない。
目の前の影のかたまりのような真っ黒い何かは、大きな口を開けてわたしを飲みこんだ。



夢から覚めたのは、飲み込まれる瞬間。
目覚めた私は、怖い夢を見た記憶しかない。
起こした体にパジャマが貼り付いている。

(私はなにから逃げていた――?)


/05/30『ただ、必死に走る私。何かから逃げるように。』

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