透明
【透明】
「ええ□、□□、□ちご、柚子、檸檬があるんですけど、どれにしますか?」
ビンゴ大会。残念賞。
「ありが□□」□□ドさんからアメをもらった。
ポスターが貼ってある。
【君に□□。□□惑ならば、伐ってもいいのか?伐採反対。桜を守る会】
コンビニに寄り、鮭□□□、□つものおにぎりを買う。□□□□の包装がうまくはがせない。海苔が破れた。
【不透明】
「ええと、梅、苺、柚子、檸檬があるんですけど、どれにしますか?」
ビンゴ大会。残念賞。
「ありがとう」メイドさんからアメをもらった。
ポスターが貼ってある。
【君に問う。迷惑ならば、伐ってもいいのか?伐採反対。桜を守る会】
コンビニに寄り、鮭と梅、いつものおにぎりを買う。透明の包装がうまくはがせない。海苔が破れた。
終わり、また初まる、
お 「おい!
わ わけわかんねーぞ!」
思わず叫ぶ。すると俺の前にいる
り 李さん(42)が、
「終わりです。
でもまたすぐに始まります」
と言った。
ま マジかよ。
終わったんじゃないのかよ。
た タヌキ、キツネ、ネコ、コブタ、
タヌキ、キツネ、ネコ、コブタ、
タヌキ、――――…………
は 始まってしまった。
再びコンベアが動き出し、
とぼけた顔をした動物たちの
パン生地が次々と流れてくる。
じ 時間が過ぎるのが異様に遅い。
俺はタヌキに葉っぱをトッピング
している。ちなみに李さんは
コブタに花をトッピングしている。
ま まったくさっきと同じ作業の
繰り返しだ。頭がおかしく
なりそうだぜ。
る 「るるる……終わり、また初まる、
るるる……」
後ろの田中さん(65)が壊れた。
星
割れちゃった星の形のクッキーは
星のかけらと星くずになる
願いが1つ叶うならば
ね 寝てたいし
が 学校行きたくないし
い いつもお母さん
が ガミガミうるさいし
ひ 1つにはしぼりきれない
と とにかく
つ つまらない毎日
か 変えたいの
な 何でもいいから
う うっとうしいから 全部
な 何もしたくないの
ら 楽に生きたいの
ば ばっかみたい みんな
嗚呼
雪が降っていた。私はひとり雪景色のなかにたたずんでいた。
ついさっきまで誰かがそばにいたような気がしたが、誰もいない。足跡がうっすらと残っている。
――嗚呼、なんと美しい景色だろう。白い。見渡す限りの全てが白い。
静かに雪が降り積もる。
やがて辺りは暗くなり、そしてまた明るくなった。雪は降り続いている。私は相変わらずひとり雪景色のなかにいる。
いつからこうしているのだろう。わからない。ただ白く美しい雪を眺めていられれば、それでいいような気がしている。
――嗚呼、満ち足りている。
太陽がまぶしい。
雪は日の光にきらめいて輝いている。暖かく優しい風が私を包んでいる。溶けていく。全てが。
――嗚呼、永遠に続く命と思っていた。儚くも消える定めとはつゆ知らず。
村の子どもはふと思い出し、幾日か前に作った雪達磨を見に行ったが、まわりの雪と同様、溶けてなくなっていたので少しがっかりした。遠くで仲間の呼ぶ声がして、子どもはぱっと駆けだしてゆく。村はもうじき春を迎える。