嗚呼
雪が降っていた。私はひとり雪景色のなかにたたずんでいた。
ついさっきまで誰かがそばにいたような気がしたが、誰もいない。足跡がうっすらと残っている。
――嗚呼、なんと美しい景色だろう。白い。見渡す限りの全てが白い。
静かに雪が降り積もる。
やがて辺りは暗くなり、そしてまた明るくなった。雪は降り続いている。私は相変わらずひとり雪景色のなかにいる。
いつからこうしているのだろう。わからない。ただ白く美しい雪を眺めていられれば、それでいいような気がしている。
――嗚呼、満ち足りている。
太陽がまぶしい。
雪は日の光にきらめいて輝いている。暖かく優しい風が私を包んでいる。溶けていく。全てが。
――嗚呼、永遠に続く命と思っていた。儚くも消える定めとはつゆ知らず。
村の子どもはふと思い出し、幾日か前に作った雪達磨を見に行ったが、まわりの雪と同様、溶けてなくなっていたので少しがっかりした。遠くで仲間の呼ぶ声がして、子どもはぱっと駆けだしてゆく。村はもうじき春を迎える。
秘密の場所
ひ 密かな楽しみは
み 蜜のように甘く
つ 罪だとわかっているのに
の のぞいてしまう
ば 罰は受けた 太ってしまった
し しかたがない 帰り道
よ 洋菓子店の甘い誘惑
ラララ
クーポンで 買った春色 刺しゅう糸
ラララ♪私は ラッキーガール
風が運ぶもの
か 風が吹いた
ぜ 「全員飛びたちなさい!
が がんばるのよ!」
は 母の声
こ 子どもたちは
「はーい」と元気に返事した
ぶ 無事にみんな旅立ったわね
も もっと遠くへ行きたいと
の ノラネコの背中に飛びのった
綿毛だった日のことを
母は思い出していた
question
ク 車椅子で病室に戻る途中の廊下で
外国人から尋ねられた
エ 「Excuse me.
I want to go back to room 404
on the fourth floor.」
ス 「すみません
英語わからないです」
チ 「ちょっとお聞き死体のdeath
ヨ 4階の404号室に戻りたいのdeath」
ン ん?4階?ここは5階だから
階段を降りればいいんだ。
階段はステップだっけ?
「ステップダウンゴー」
あ、やっぱり通じないか。
あれ?でも4階なんてあったかな?
それに404号室って。
あれ?あの人どこ行った?消えた?