君の声がする
君の声がする。
僕は目を覚ました。
「ここからだして」君はそう言った。
「無理だよ」と僕は答えた。
「だれかいる!?」
君はびっくりしたようだった。
「だれ?」
「僕は僕だ」
君はそれ以上聞かない。
「とじこめられたの。たすけて」
「閉じ込められたわけじゃないよ」と僕は言った。
「だって。せまいもん。こわいよ」
君は泣き出しそうだ。
「落ち着いて。時期が来たら出られるから」
「でられる?じゃあいますぐだして」
「無理だよ」
「なんで?」
「無理だから」
「えーん」
ついに泣いてしまった。
「今はだめだ」
「なんで?」
「君が君だから」
「どーゆーこと?」
「君のままでは出られないってことだよ」
君はしばらく黙ってしまう。
「わたしはわたしじゃだめなの?」
君は不安そうだ。
「変わらないといけない」
「そんな」
君はショックを受けたようだ。
「かわるちからなんてないよ……」
「あるさ」
「…………やだ…………わたしはわたしだもん…………むにゃむにゃ」
君は眠ってしまったようだ。
時が来たら君は変われる。
今はやわらかい黄身だけど、もう少ししたら、かたいくちばしを持ったひよこに変わる。そうしたら自分で殻を壊して、そこから出ることができるんだ。
僕は確信を持っている。だって僕は君の兄さんだから。ピヨピヨ!
ありがとう
あ 愛されてなどいないんだ
り 理解者など不要
私は孤高の小説家だ
が ガトーショコラの差し入れだって?
と 糖尿病にさせる気か?
う うん、まずくはないな
ご ご苦労なことだ、手作りとは
手紙が入ってる
ざ 残念だが、返事はしない主義だ
い 今はひとりにしてくれないか
そうだ、締め切りを失念していた
ま ……まいったな
す すっっっごくおいしかった!!
そっと伝えたい
そ そろそろ
つ 伝えないとまずいよな
と 止めないと僕は
つ 罪を犯すことになる……
た 大量の積み上がった皿越しに
え 「遠慮してたの」
とにっこりする彼女
た 「たくさん食べなよ」
とは言ったけれど
い いつまで食べ続ける気だろう
飲食代が足りない
未来の記憶
み 見覚えのある小説出てきた
ら ラブストーリーだった気がする
い インドで再会する幼馴染み
の ノリコとタカオ 二人に待ち受ける
未来は……
き 記憶にない
お 思い出せない でも
く 繰り返し読めてお得だね
ココロ
ココロ コロコロ
コロシタ ココロ
トゲトゲで 無感情
ココロ コロコロ
コロんでしまう
誰もいない 痛むココロ
ココロ コロコロ
コロんだけれど
お花咲いてる 起き上がる
ココロ コロコロ
コロがって
コロコロ笑う 楽しい日
ココロ コロコロ
コロサレタ ココロと出会う
悲しみが 伝わってきて
泣いてしまう
ココロ コロコロ
コロがって
あちらこちらに 傷がつき
まあるくなって 弾むココロ
これからも コロがっていく