天井香織

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10/7/2024, 11:54:20 PM

扇形の丘には、静寂があった。

打たれまいと、想いを込めた投球に。
負けまいと、気合いを込めたスイングに。
互いに、力を込めた。ただ、それだけ。

結果は付随する。

投手が手を抜いたわけではない。
打者の運が良かったわけではない。

高い金属音が鳴った。

拳ほどの大きさの球は青い空に舞い上がり、
石ころよりも小さく見えた。

静寂の丘は、歓声と拍手に包まれた。

10/3/2024, 12:28:22 PM

記憶の片隅には、気がつけば貴方が居た。

いつもは忘れているのに、ふと思い出せば
胸は温かく、そして少しさみしくなる。

まるで、夏の終わりを告げる風のように。
まるで、川を流れる一枚の枯葉のように。

顔も、名前も、どんな声かも忘れてしまった。
これからも記憶は、吹かれて、流れて、
遠く消えてしまうだろう。

また季節のように巡り会えたら。

どんなに嬉しいことだろう。
どんなに楽しいことだろう。

私が貴方を忘れる前に、

10/3/2024, 7:28:18 AM

すきなことを、して。
すきなものを、たべて。
すきなばしょへ、むかう。

無数の自由意志と選択の先に、
貴方が立って居るのなら、
それを奇跡と呼べるだろうか。

犬ではなく、猫が好きであれば。
街ではなく、海が好きであれば。
夜ではなく、朝が好きであれば。

もう一度、貴方に出会えただろうか。