11/20/2023, 11:00:25 AM
命の蝋燭が二つ
貴方と私のものだとしたら、どうする?
二つ隣に並べるか
一つを犠牲にしてもう一方を長くするか
それとも二つくっつけてしまおうか
無理矢理あわせた灯芯の火はきっと消えてしまうけど
『キャンドル』
11/17/2023, 2:47:58 PM
炬燵が出せる。君とくっつける。
雪が降る。かじかんだ手を温めると言って握ることができる。
一つ歳をとる。もうすぐ君は大人になる。
『冬になったら』
11/17/2023, 10:08:33 AM
はなればなれになってもきっと君のことを見つけるからね
そんな言葉と空を閉じ込めたような瞳を物心ついた時から抱えている。前世の記憶、とでも言うのだろうか。
「……お前、じゃないよな?」
真っ白な毛並みの猫を抱き上げてその瞳を覗き込んでいたら、背後から何処かで聞いたような笑い声が聞こえた。
『はなればなれ』
11/16/2023, 8:19:33 AM
子猫を抱えた君の方がよっぽど捨て猫みたいに心細そうな顔をしていたから、ついまとめて面倒みちゃったんだよね。
今では二人ともうちでのびのびしてる、可愛い僕の子猫さん。
『子猫』
11/14/2023, 2:14:53 PM
誰かに呼ばれたような気がして振り返ると、大きな丸い夕陽が沈むところでした。
橙が群青に溶ける様をしばらく眺めていた私の頬を秋風がそっと撫でてゆきます。その感触はあなたの指に擽られたようで、思わず辺りを見回してしまいました。
誰も居る筈など無いのに。
『秋風』