八色鵺

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8/30/2024, 2:06:06 PM

─── 香水 ───


人工的な香りが好きじゃない

自然のままが一番好き

ある程度は仕方がないと思ってるけれど
洗髪剤に柔軟剤に化粧品に香水に
混ざりに混ざったクラスメイト達のにおい

正直くさい

纏まりがないだけじゃなく
本当に重なりまくってたから

冬のあの空間は地獄でしかなかった

8/29/2024, 2:30:56 PM

─── 言葉はいらない、ただ・・・ ───


曖昧なものはいらない
必要なのは本心だけ

恋することが罪だとか
愛することが罰だとか

考えたって無駄

ただ黙って私を見つめて
誰よりも激しく
熱い唇を重ねてくれたら

それだけで十分


特別な愛なんていらないから

8/28/2024, 2:21:57 PM

─── 突然の君の訪問。 ───


淡い月明かりを身に纏い
君は僕に会いに来た

昔見た時と同じ姿で

迎えに来てくれたらしい
わざわざご苦労だね

誘われるまま手を取り
眠れぬ夜にさよならする

窓から旅立つ間際
ベッドの上を目の端にとらえる


淡い月明かりに照らされて
眠る僕がそこに居た

8/27/2024, 2:24:54 PM

─── 雨に佇む ───


湖に浮かび
雨に打たれる君は

息を呑むほど美しく
とても儚い存在だった

君しか眼中にないと気付いた時には
もう手遅れなんだ

惑わせ
誘い
導かれる

それがあの人の目的

人ではない者に心奪われ
喰われる事が幸せなのだと錯覚させる

目線を落とすと水面は胸元まできていた

僕は歩く足を止めなかった

8/26/2024, 2:12:38 PM

─── 私の日記帳 ───


真っ黒なノート
私の全部が書かれてる

真っ白な肌が痛々しい

太陽から隔離されて
何年経ったのかわからない

最後のページを書いた時は
涙も枯れてしまっていた
不安も恐怖も何も感じない

ただの人形になってしまった


数年後

近所の人による通報で救助された時
私は二十歳を超えていたと言う

誘拐犯は死刑宣告を受けた

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