八色鵺

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8/25/2024, 12:29:23 PM

─── 向かい合わせ ───


私達は二人で一人だった

一つの文明が誕生し滅びるのを何度も見てきた
それほど果てしなく長い時を一緒に過ごした

二人でずっと守ってきた均衡
何故それを破ろうとするの

今になってどうして

理由なんか聞きたくない
知りたくもない

どうしても破ると言うなら
この場を離れると言うのなら


私の手で壊してあげる


血塗れで動かなくなった片割れ
それを見つめながら
同じく動かず倒れる血塗れの片割れ

二人一緒に永遠に
決して破られる事のない均衡を

8/24/2024, 2:20:42 PM

─── やるせない気持ち ───


後悔はしてない
懺悔もしない

神は私を裁けばいい

地獄へ堕ちる
上等だ

その覚悟もなしにやるものか
怖いものなど何もない

それなのにどうして
涙が頬をつたう

心に吹くこの風は

無意識に感じている贖罪なのだろうか

8/23/2024, 2:03:35 PM

─── 海へ ───


どうしてこんなに息苦しいんだ

この世界は生きづらい

もういいや
全てを捨てて帰ろう
私が呼吸できる場所へ

光の届かない真っ暗な世界

深く深く沈んでいきながら
めいいっぱい深呼吸する

身体中に酸素じゃ補えないものが

満ち溢れてくる

8/22/2024, 12:22:16 PM

─── 裏返し ───


狂っているのは世界の方で
僕の頭は正常なんだ

そうだよね先生

いつもの薬もいつもの検査も
僕が間違ってない証明をする為なんだよね

先生だけなんだ
僕を信じて正当化してくれているのは

お願いだから
僕の存在を否定しないで

お願いだから
私達を消さないで

8/21/2024, 1:38:22 PM

─── 鳥のように ───


いつからかここに居た
始まりの記憶はあまりない

いつも綺麗に着飾らされて
時折ふと窓の外を眺めていた
そのたびに聞かれた


外の世界へ行きたいかと


私の答えはいつも同じ
黙って首を横に振る

そんなこと考えなかった
考えてはいけないと思ってた
そして何事もなかったように
また君へ話しかける


幾つもの季節が巡ったある日
誰かが私を連れ出しに来た

いつからかここに居た
最後の記憶ははっきりある


そこにはもう私は居ない

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