八色鵺

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8/27/2024, 2:24:54 PM

─── 雨に佇む ───


湖に浮かび
雨に打たれる君は

息を呑むほど美しく
とても儚い存在だった

君しか眼中にないと気付いた時には
もう手遅れなんだ

惑わせ
誘い
導かれる

それがあの人の目的

人ではない者に心奪われ
喰われる事が幸せなのだと錯覚させる

目線を落とすと水面は胸元まできていた

僕は歩く足を止めなかった

8/26/2024, 2:12:38 PM

─── 私の日記帳 ───


真っ黒なノート
私の全部が書かれてる

真っ白な肌が痛々しい

太陽から隔離されて
何年経ったのかわからない

最後のページを書いた時は
涙も枯れてしまっていた
不安も恐怖も何も感じない

ただの人形になってしまった


数年後

近所の人による通報で救助された時
私は二十歳を超えていたと言う

誘拐犯は死刑宣告を受けた

8/25/2024, 12:29:23 PM

─── 向かい合わせ ───


私達は二人で一人だった

一つの文明が誕生し滅びるのを何度も見てきた
それほど果てしなく長い時を一緒に過ごした

二人でずっと守ってきた均衡
何故それを破ろうとするの

今になってどうして

理由なんか聞きたくない
知りたくもない

どうしても破ると言うなら
この場を離れると言うのなら


私の手で壊してあげる


血塗れで動かなくなった片割れ
それを見つめながら
同じく動かず倒れる血塗れの片割れ

二人一緒に永遠に
決して破られる事のない均衡を

8/24/2024, 2:20:42 PM

─── やるせない気持ち ───


後悔はしてない
懺悔もしない

神は私を裁けばいい

地獄へ堕ちる
上等だ

その覚悟もなしにやるものか
怖いものなど何もない

それなのにどうして
涙が頬をつたう

心に吹くこの風は

無意識に感じている贖罪なのだろうか

8/23/2024, 2:03:35 PM

─── 海へ ───


どうしてこんなに息苦しいんだ

この世界は生きづらい

もういいや
全てを捨てて帰ろう
私が呼吸できる場所へ

光の届かない真っ暗な世界

深く深く沈んでいきながら
めいいっぱい深呼吸する

身体中に酸素じゃ補えないものが

満ち溢れてくる

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