逆さま
今のあなたの状況と
私自身を裏返せたらと何回も思ったか
もう耐えられない
大事なものが指をすり抜けて消えてゆく
どんなに願っても
神なんてものは存在しないし
助けなんてやってこない
歪なほどの天秤は一行の良い方向へ向かず
悪い方にしか向かない。
願い叶うなら、永遠も未来もいらない
だから今この時を
一緒にいられるこの時をいつまでも
一いつまでも続けられれば。
それが叶わないのなら
自分の命を使ってもいいから
先に死なせて。
そうずっと昔から思っている
眠れないほどに焦がれている
もう会えないとわかっていても…
もう二度とその声が聞けなくても…
その表情を、仕草が見られなくても…
いまだに瞼の裏に焼きついていて、離れない
夢を見るたびにあなたを思い出して
涙を流している
しかし、いまだに心から恋焦がれている。
眠ることさえ忘れて
星と語るほど…
月が慰めるほどに…
今もまだ
夢と現実
交差し、過ぎ去ってゆく
果たし今見ている全てが現実なのだろうか?
それともいまだに私はベッドの上だ夢を見ているのだろうか?
どちらにしても夢ならよくできたものである。
たまただの現実でしかなく、
救いなどないここが現実だというなら
どうすれば狂わずにいられるだろう。
もう前も後ろも、前後左右もまたわからない
一体どちらだろう
さよならは言わないで
その言葉を最後に
ここで聞いてしまったら
きっと、堪えきれなくなってしまう
涙が頬を伝い
きっと、気持ちを抑えきれなくなってしまう。
縋りついて、
思いを全て告げてしまいたくなってしまいたくなる
そんな我儘、許されないのに
あなたに嫌われたくないのに
あなたを困らせたくないのに
最後に見る君の顔が
せめて笑顔であることを練っているのに
距離
遠くて近い
けれど、どれだけ手を伸ばしても届かない
あなたの横にいたいのに
ついさっきまでその横に立っていたのに
今は手も届かない。
言葉もきっと届かないだろう。
さようならも、ありがとうも
心の中で一つ一つが浮いては弾けていく。
この、距離がとてももどかしい