静寂に包まれた部屋
ペラ、ペラとページを捲る音に
時たまにお茶を啜る音、
そんな静寂の中で息をする。
窓の外からは、鳥の声や、行き交う子どもの声、
葉崩れの音に、かわるがわる天気の音。
静寂の中でこそ、音は際立つ。
別れ際に
あなたに拒絶され、全てに絶望を感じた
真っ暗闇の底のないどこかに堕ちいくような…
色あざかな世界が白黒に塗りつぶされるかのような…
全ての音が遠のき、もう何も聞こえない…
もうその場にとどまること自体が辛くなった。
部屋を出ようと歩みを始めた時、
不意に、振り返り、
一言「さようなら」。
また歩みを進めようとすると
突如後ろから温かいものに包まれる。
それがあなたの腕の中だと理解すると小さく
「ごめん。」
通り雨
雨を被り、雨宿り
一緒にいるのは猫と鳥。
少し寒いとおっもった時、
隣人が寄り添う、
分け合う熱、暖か…
雨が通り過ぎ、晴れ間がなる。
美しい虹と飛びだっていく隣人…
少し寂しくなったのは、秘密。
通り雨、表も裏も、表裏一体。
交わることのないものが交わる
ほんのひと時の、優しい時間。
秋
木々が葉を落とし、
動物たちが冬籠の準備に勤しむ。
魚たちは卵植え付け、
花たちは徐々に枯れていく。
秋はみのりの季節。
夏が過ぎ涼しくなり
昼間の活動がしやすくなる。
冬の前のほんのひと時の安らぐ時間。
ほんの少しの侘しさを感じるそんな季節。
鮮やかな緑たちが色を失い始め、
やがて、冬になる
そんな季節
窓から見える景色
晴れ渡る空には羽ばたく鳥たち。
曇り空には地上の緑とのコントラスト。
雨が降り頻る空は誰かの代わりに涙を流す。
朝ぼらけの空にはパレットの絵の具が散りばめられ、
お昼の空は海の色が眩しい。
夕方の空は侘しさを思わせる橙が、
夜空には白い光を放つ星とどこまでも深い夜の色。
地上は春夏秋冬が周りその虚げな雰囲気が少し悲しい
春には色が溢れ、
夏には緑、
秋は茶色、オレンジ、
冬には色をなくし、全てが白に戻る。
家に着いている窓。
その窓から見えるもの多種多様で目が離せないほど心地よい。
では、心の窓は?
どうなのだろう。
もう一度振り返って…