【耳を澄ますと】
耳を澄ますといつも少女の声が聞こえてくる。
他の人には聞こえない声が。きっと僕は可笑しいのだろう。
ただ、たまに少女以外の声が聞こえてくるんだ。それと同時に僕の目から数滴雫が垂れる。
そんな時、いつも少女が励ましてくれる。「大丈夫だよ。」
そんな少女が僕は好きだ。そういうと、周りはいつも笑う。
それはただの「妄想」だ。「幻聴」だと。
それでも僕は少女がいるように感じる。きっと僕はわかっている。
自分でもわかってるんだ。「少女なんてどこにもいない。」
だけど、君無しじゃ何も面白くなくて。生きる意味がなくなって。
僕は君に依存してしまったのかな。君に会いたい。
だけど君はもういなくてさ。どれだけ探しても君はいなくて。
だから僕は想像するんだ。「君がまだ生きていたら。」って。
目を閉じて、耳を澄ますといつも少女の声が聞こえてくる。
他の人には聞こえない声が。きっと僕は可笑しくなってしまったのだろう。
でも、それでも良い。君が居るなら。君は僕の中でずっと生きているから。
だから今日も、耳を澄まして、「おはよう。」と君に話しかける。
そうして、君と僕の一日がスタートする。
【二人だけの秘密】
二人だけの秘密。
誰にも言えない僕等だけの、誰にも理解されない秘密。
だけど、その人にだって話せない秘密はある。
きっと彼女は知っている。僕だってそうだ。
バレたらどうなるだろう?嫌われるか?優しくされるか?
どれだけ考えても、わかるはずない。
わからないから、僕は、僕等は怖くなる。
だから僕等は誰にも言えない。これは二人だけの秘密。
片方が片方を理解出来ているのならそれで良いんだ。
二人だけの秘密じゃなくとも同じ気持ちを知ってくれる人は
必ず沢山居るはずなんだ。でも、その沢山が僕等にはとても少なく感じてさ。
誰を信じたら良いのか。誰が味方なのか。、、、敵なのか。子供の僕等にはわからないからさ。
彼女はとても良い子だ。きっと、僕が本当の事を言っても
失望しないで一生懸命親身になって聞いてくれて、
周りにもそのことをバラしたりしないんだろうな。
でも、僕は怖いんだ。僕は誰よりも臆病だからさ。あの時の事が
フラッシュバックして、言いたくても口が縫われてしまったかのように開かなくなる。
僕にはまだ言えない。彼女にはこの事を。まだ真実は言えないから。
二人だけの秘密だけど。この事はまだ、僕だけの秘密にして欲しいんだ。
ごめんね。