【神様が舞い降りてきて、こういった。】
ふと、僕は考える。
神様は何をするための存在なのか?天罰は本当に神様がやってくれるものなのか?
天罰は、たまたま起きたことを神様のおかげだ。と人間が勝手に思い込んでいるだけではないのか?
どうして?って、だって悪いことをしたときに制裁を与えるのは神様ではなくいつだって人間じゃないか。
そもそも、神様が僕達の手を取ったって、神様になんの得がある?人を助けると気持ちがいい?
それとも暇だから?神様にそういった感情なんてあるのだろうか?神様は、
「こうしたら人間は死ぬんだな。」「こうしたら、世界は破滅してしまうんだな。」とか
子供の自由研究のように人間でただ実験しているだけかもしれない。だとしたら、
神様は人間に対して何をするための存在なのか。まずの話、「神様」なんて本当にいるのだろうか?
そんなこと考えたって、わかるはずない。論理的、理論的に考えたって、
この問に答えなんか出てきやしないのだ。ならどうして人間は神様という存在を考え出したのだろう?
願いを叶えてくれる。天罰を与えてくれる。そんな都合のいい存在を生み出して、信じ込んで、
ただ、それに縋りたかった。そうなのではないか?
こうすれば天国へいける。こうしてしまったら地獄へいってしまう。本当にそんなこと
あり得るのだろうか?「地獄は地の底にある。」そうと言うなら、人間はもう見つけているのではないのか?
現代的技術を使えば、それほどのでかい空間ならすぐ見つかるのではないだろうか?もしかして、地獄は
とても小さかったりして。じゃあ天国はどうだろうか?「天のさらなる上にある。」
そもそも、「天」とは何処を指した言葉なのだろうか?空だろうか?宇宙だろうか?それともそれ以上だろうか?
まずそれがはっきりしないとどれだけ考えてもわからないものである。いや、それがわかっても
わからないかもしれない。天国や地獄、神様なんて存在は、どれだけ考えたってわかりなんかしない。
そんなどうしようもない考えで頭がぐるぐるしているとき、ある少女が僕にいったんだ。
「...ね..........だ......じ.....?」
なにを言っているか、分からない筈なのに、なのに僕は、その少女が何をいっているかわかったような気がした。
矛盾とはこういうことなのか?
僕にとってその少女がどのように見えたのかを例えるのなら、そうだな。皆の思う、「神様」だ。
僕にとって、その子は神様のように見えた。神様が世界を救ってくれるのなら、
僕の神様も僕の世界を救ってくれるのだろうか。
「神様が舞い降りてきて、こういった。」
【降り止まない雨】
朦朧としている中、冷たいものが僕にあたったような気がした。
その冷たいものは1滴。僕の頬を滴る。
それは気づけば1滴どころか沢山僕に当たっていた。
雨だ。雨が降っている。そう脳が判断した。
ここは、外?何故外にいるのだろうか。いくら考えても分からない。
それより速く家に帰らなきゃ。そう僕は思ったが、体は動いてくれなかった。
「帰りたくないな。」
ぽつり。思ってもない言葉が、僕の口からでた。
何故帰りたくないのか。何故ここにいるのか。
僕の意識が、段々はっきりとしていく。
「嗚呼、抜け出してきたんだ。」
その時、雨とは違う、温かいものが、頬に滴る。これは、、なんだろうか。
僕はその時、その雫が目から垂れているのに気がついた。これは涙だ。
雨が僕の涙と一緒に流れて、涙なのか雨なのかが、わからなくなる。
雨は嫌いだ。嫌いだけど。今は本当の「僕」を隠して欲しい。
今日も僕の心の雨は降り止みそうにない。
【子供のままで】
子供の頃。毎日が怖かった。どれだけ願っても、毎日朝は来てしまう。
気づけば一日が終っていて、何も出来なかった日々が積み重なっていくごとに、不安も比例し大きくなっていく。
「あれをやらなきゃ。」「これをやらなきゃ。」やらないといけないこと。
それは沢山あって。でも、わかっていても体は言うことを聞いてくれない。
「あの子はできてるのに。」「当たり前の事なのに。」そういう思いが増えていく事に連れ、
また明日が怖くなる。大きくなんてなりたくない。ずっと、このままでいれたら。
「子供のままでいれたら。」
なんてことを毎日考えてた。
大人になった僕は思う。小さい頃と、自分って「変わらないな。」って。
きっと、「心は子供のままで」大人になってしまったんだ。
やらなきゃいけないこと。沢山あって。それでも体は言うことを聞いてくれなくて。
自分の心がパズルだとしたら、まだ僕の心は完成していなかった。
「不安」という気持ちのピースが心の隙間を埋めていって。
最後には、僕の心は「不安」という気持ちのピースばかりでパズルは完成させられた。
また明日が怖くなる。明日なんか来なければいいのに。
「子供のままでいられたなら。」
【愛を叫ぶ】
「愛してほしい。」そうやって、いつも僕は心の中で「愛」を叫ぶ。
でも、それは誰にも届かなくて、届いてくれなくて。
「きっと僕はこれから先も誰からも愛されないんだろうな。」
「僕は、誰かに愛される権利なんて無いから。」
そんな劣等感という気持ちのとげに苛まれる。
「愛してる」と愛を叫ぶことも「愛してほしい」と愛を叫ぶこともこの先きっと無い。
そんな勇気、僕には全く無くて、僕には言う資格もないから。
僕は誰かを愛すことも、誰かに愛されることも、きっとないから。
そんな僕はいつも心の中で「愛」を叫ぶ。「愛してほしい。」
そんな叶わない願いを信じ願い、今日も僕は哀愁に浸って、
「哀を叫ぶ。」
【忘れられない、いつまでも。】
教えられたことは覚えられないけど、自分で感じた「思い」は忘れられない。
もう10年前のこと。親に言われた「あの言葉」がこびりついて離れない。
小さかった僕にはとても恐て、重い言葉だった。
今となってはとても小さいこと。どうでもいいようなこと。
だけど、それが忘れられなくて。一度傷ついた心はもう一生治らなくて。
僕の心は子どもの頃のまま、大人になってしまった。
人間は「楽しかったこと。」より、「辛かったこと。」の方が鮮明に残る。
嫌な思い出ばかりが心に残って、楽しかった思い出が薄れていく。
人の言葉は、その人の助けになることもあれば、人を傷つける「凶器」になることもある。
その凶器が心に刺さって、一生抜けない人だっている。
人の「言葉」一つだけで、この人の人生を一生狂わせてしまうこともある。
凶器が深く刺さってしまったら、その傷は一生治らない。それは心体ともに、同じで、
僕の心に刺さった凶器の跡は未だ消えない。