【降り止まない雨】
朦朧としている中、冷たいものが僕にあたったような気がした。
その冷たいものは1滴。僕の頬を滴る。
それは気づけば1滴どころか沢山僕に当たっていた。
雨だ。雨が降っている。そう脳が判断した。
ここは、外?何故外にいるのだろうか。いくら考えても分からない。
それより速く家に帰らなきゃ。そう僕は思ったが、体は動いてくれなかった。
「帰りたくないな。」
ぽつり。思ってもない言葉が、僕の口からでた。
何故帰りたくないのか。何故ここにいるのか。
僕の意識が、段々はっきりとしていく。
「嗚呼、抜け出してきたんだ。」
その時、雨とは違う、温かいものが、頬に滴る。これは、、なんだろうか。
僕はその時、その雫が目から垂れているのに気がついた。これは涙だ。
雨が僕の涙と一緒に流れて、涙なのか雨なのかが、わからなくなる。
雨は嫌いだ。嫌いだけど。今は本当の「僕」を隠して欲しい。
今日も僕の心の雨は降り止みそうにない。
5/25/2024, 3:18:36 PM