【勝ち負けなんてどうでもいい
その過程に意味があるんだよ】
うるさい、うるさい…!
そうやって大人はきれい事ばかり並べる
結局は、『結果しか見てない』くせに、
まだ続く物語
まだ、この命は尽きてくれない
まだ、生きなくてはいけない
不穏だらけの、この世界で
明日、身近な人が死んでしまうかもしれない
明日、戦争が始まるかもしれない
明日、地球は滅んでしまうかもしれない
必ずもし、ない、とは言い切れない
でも、生きなくてはいけない
どんなに、明日が不安と不幸で満ちていようとも…
まだ、この物語は続くのだから、
これで最後…、これで最後…、
そう、思うのに、どうしても
君の隣だけは離れたくない
だって、いつも満面の笑みで、花の咲くような笑顔で
僕に喋りかけてくるから
もう終わりにしないとって、思うのに
君が僕を離してはくれない
ひどいよ、
君をもうこれ以上、悲しませたくないのに…、
君の、隣にいたい…
ずっと…、ずっと……、
どうして、この願いを神様は
叶えてはくれなかったんだろう
でも、もう…、
『これで最後』だね
君の名前を呼んだ日
噛みしめるように、君の名前を呼んだ
そしたら、頬を赤らめて、
なーに?って首を傾げてくれた
あぁ、なんて幸せなんだろう
毎回、毎回、君の名前を呼ぶときは
幸せを噛みしめているんだ
つらい…、
くるしい…、
生きたくない…、
死にたい…、
そんな感情が、抑えきれなくなって
無意識に外へ飛び出した
雨音がしていたから、
きっと雨が降っているだろうな、と思っていた
でも、ちょうどいいと思った
嫌なこと、全部流れてくれるかなって、
でも、わたしに打ち付けてきたのは、
泣きたくなるぐらい、優しい雨だった
『つらいね、くるしいね、
少しくらい、歩みを止めてもいいんだよ
それが悪ではないから
自分のペースで、歩いていいんだよ』
そう…、言われているみたいだった
今、わたしの頬が濡れているのは
きっと、この雨のせいだ