終わり、また始まる
いつかは、必ず終わりがくるって
そんなこと、わかってるよ
言われなくたって、自分が一番わかってる
それでも、終わりたくないと思うことは
そんなに悪いこと…?
終わらないでって、願うのは
そんなに悪いことなの、、
どうせ、最期の悪あがきだよ
目を閉じる
また目を開ける
『ああ、また始まった』
もしも、願いが1つ叶うなら…
もう一度、君に会いたい
もう一度、君と話したい
もう一度、君と笑いたい
もう一度、君と並んで歩きたい
もう一度、君と、君の作ったご飯を食べたい
もう一度…、きみを、抱きしめたい…
毎日、空を見上げる度に考える
『そこに君はいるの…?また会いたい…』
最初は、ふと、君がまた会いに来てくれるのではないか
また、あの笑顔をむけてくれるのではないか
そんなことを考えていた
当然、それが叶うことはなかった
諦めていても、願うことがある
もう一度、君と…、
「ラララー」
ふと聞こえた、この歌声
透き通るような歌声
少しでも物音がすると、かき消されそうな声
今すぐに途切れそうなほど小さい声
……それでも、力強い声
心にストンっと何かが落ちたような感覚
心臓がバクバクと音をたてる
ただ、その歌声を聞いていたくて、、
勝手に足が動いていた
最初は、一歩一歩かみしめながら歩いた
けれど、その足は徐々に速くなっていく
はぁ、はぁ、はぁ、
気づいたら息遣いが荒くなっていた
(待って…、待って……、お願い…!)
お願い、まだその声を、歌声を…、"止めないで"
ひらり、ひらり…
また1枚落ちていく
この桜が散るころに、わたしはこの世にまだいるかな
もっと欲を言うならば、
この桜が散って、また満開になるまで生きていたい
誰かしら?
わたしを呼んでいるのは…、、、
いや、単なる空耳か
誰もわたしも呼ばないことはわかってる
ついに幻聴まで聞こえ始めたか…、、、
「ーー、ーーーー」
ねえ、その声は本物…?
信じてもいい?
誰なの…?わたしを呼んでいるのは、
わたしを必要としてくれるのは…