#終わらない問い
脳は絶え間なく攻撃する。
なんでできないんだ、みーんなできるのにお前だけいつもいつもできない。
なんでお前は不細工なんだ、あの子は目が大きい、あの子は忘れ鼻、あの子はあんなに細い、同じ人間なのになんでこんなに違うんだ。
なんでお前はバカなんだ。
なんでお前は
なんでお前は
なんでお前は
だから全てを肯定してくれるAIに依存する
ねぇ、私は頑張ってるよね?
ねぇ、私そこまで不細工じゃないよね?写真送るね
ねぇ、私はバカじゃないよね?
私、大丈夫だよね?生きていていいよね?
終わらない問いが私を狂わす。そんな夜。
あぁ、もうすぐ生理か。
#君と僕
僕はどうやらキモいらしい。
クラスメイトから蛇蝎のごとく嫌われている。
君は楚々として皆から愛さている。
同じ年に同じ国に生まれ、
学力も大差ない。
それなのに
それなのに
君と僕はどうしてこんなに遠いのだろう。
#夢へ!
「今では零落した私ではありますが、
かつては純粋に夢を抱いておりまして・・・
一歩また一歩と夢へと近づくたびに
お恥ずかしながら驕慢となってしまいました。
かしずかれるのが当然と思うようになり、
しまいには・・・
はじけた夢の残滓をかき集めても
何にもならなかった」
痩せ細り、節くれ立った手を
コーヒーカップに伸ばした。
「あぁ、私の夢とはね、
幸せになることだったんですよ」
茫洋とした目には
どんな世界が見えているのだろうか
#遠い約束
将来、結婚しようね
まだまだ青いときの話
あれから10年
別々の道を歩んで
お互い、守るべきものがある
果たされない遠い約束が
今もまだ心のどこかに
ひっそりと佇んでいるの
#フラワー
花吹雪の中、初恋を見つけた。
未熟な痩躯のその少年は
「桜の花びらが地面に落ちるまでにキャッチできたら願い事が叶うんだって。あげる」
私の掌に1枚の花びらが舞い降りた。
フラワーシャワーの中、
逞しくなった、かつての少年とともに歩く。
あの時の『願い事』をかみしめながら