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#夢へ!


「今では零落した私ではありますが、
かつては純粋に夢を抱いておりまして・・・
一歩また一歩と夢へと近づくたびに
お恥ずかしながら驕慢となってしまいました。
かしずかれるのが当然と思うようになり、
しまいには・・・
はじけた夢の残滓をかき集めても
何にもならなかった」

痩せ細り、節くれ立った手を
コーヒーカップに伸ばした。

「あぁ、私の夢とはね、
幸せになることだったんですよ」

茫洋とした目には
どんな世界が見えているのだろうか

4/11/2025, 1:33:33 AM