「ところで」
「ところで?」
「何もかも捨てて二人でどこかへ行きたいとは思わないかい?」
「思わなくもないけど?」
「なぜか今はそんな気分なんだよ」
「試験の結果が悪かったのか、なにかをリジェクトされたのか」
「ドキッ!」
「とりあえず甘いものでもたべたら?確か冷蔵庫に……」
「急に何もかも捨てて一人で遠くに行きたくなった!」
「??……!!」
お題『遠くへ行きたい』
「ところで」
「ところで?」
「なんか使おうと思っているネタというかお題のストックがあると思うんだ」
「なんの話?」
「ああ、お題の話だけどね」
「いつものメタな話?」
「そう。父上にお題の話をすると結構近い世代じゃないか?なんて言われたりする」
「父上?前はパパって」
「うん?まあ父上にクリスタルの話をしたら、FFなんとかとか、ポケットなんとかみたいなゲームの話をしていたけどね」
「ゲームの話かー。ゲームさせてくれないのにね」
「そうだね。クリスタルって言われても水晶ぐらいしか思い浮かばないけど、父上ぐらいの歳なら結構ゲームが思い浮かぶみたいだね」
「ふーん。ゲームさせてくれなかったのに」
「まあまあ、あとは芸能人?みたいな人が思い浮かぶらしいよ」
「ふーん。テレビもほとんど見せてくれなかったのに」
「まあまあ。それワタシカンケイナイ」
「ごめん」
お題『クリスタル』
「ところで」
「ところで?」
「少し前に匂いと臭いの話をしたと思うんだけど」
「そういえば」
「今回のお題は『におい』ではないね。つまり良いほうの意味だね。善悪ではなく好む好まれないという意味での」
「夏の臭いって言われると運動部かな……」
「子どもがいると洗濯物の臭いかもしれない。夏場は臭いしね」
「あー、お母さん大変なやつだ。なんだっけ漫画だと剣道部の鎧みたいなのが臭いとか。あと小手?」
「最近はそうでもないとか聞くけど嗅ぎたくないよね。フレーメン反応を見たいなんていう心理なんだろうか」
「ふしゃー!」
「それはさておき夏の匂いといえば、植物だと甘い匂いからむせるような青葉の匂いへ変わったりとかかな。初夏から夏へ移る匂い」
「あー、夏っぽい気がする」
「それと雨の匂いも梅雨の匂いから夏の雨の匂いへ変わっていくね。夕立の匂いだったり川床の匂いだったり」
「なんか風流な気がする。暑いんで建物に篭りたいけど」
「そうだね。この暑さでは外にいるのは無理だろうね。ゴミ箱の臭いも夏ならでは。繁華街は臭かったりするね。今回は匂い縛りで使えないけど」
「あー、嫌なのを思い出すやつだ」
「ごめん。でも臭いと匂いを使い分けていると、文字変換だけで片方はお題に合わなかったりするのだろうか?なんて思ったりもするね」
「またメタなこと言ってる」
「汗の匂いが好きなんで言ってないからね」
「はっ!ちょっと離れようか」
お題『夏の匂い』
「ところで」
「ところで?」
「今回のお題はなかなか意味深だね」
「そう?」
「カーテンを開けるだと何かを詳らかにする、明るくする。カーテンを閉めるだとこれから夜、見られてはいけないものを隠す。なんてならないかい?」
「あー、ちょっとエッチな感じもある」
「まあ、そこまで言わずにそういった雰囲気を出せるという感じがあるね」
「カーテン越しの人影とか」
「そう。そんな感じで人間関係を比喩的に使えるしね。カーテンコールとかだと舞台らしさというかそのものをイメージさせるけどね」
「あー、なるほど」
「で、意味深と言ったのは」
「意味深だからだ!」
お題『カーテン』
「ところで」
「ところで?」
「梅雨が明けたり明けなかったりしているけど、今回のお題は海らしさもあれば空らしさもあるね」
「青いから?深いから?」
「そうだね。深いは海の深さとかにも使われるけど、色の濃さを深いとか、複数の意味が絡むことを前提にした話も深いとかいうね」
「深い」
「そう言われると浅そうだけど、海にも空にも使えそうというのはあるね。でも宇宙は黒いから使えないかな、というのは理系らしいかもしれない。青い宇宙もあるかもしれないし」
「深い」
「それはともかくそろそろプールでも行かない?」
「深い」
「もしかして話聞いてない?」
「このまま深い眠りに……」
お題『青く深く』