「なんかさー、最近、でも無いけど、熊が可哀想とか言ってさー」
「うん」
「街中とかに出た熊を森に放してあげてとかいうのがあるじゃない」
「なんか聞くよね。その手の話」
「それで、その手の話ってネットだけじゃなくて、実際にそれをやっちゃった団体があるんだって」
「うげ、でもどうやって?」
「なんでも自分のところで面倒見るとか言ったあとに森に放しちゃったんだって」
「え、マジ?良いのそんなことして」
「いや、よく無いんだけど」
「そりゃそうでしょ」
「別の話もあってさー」
「なんの?」
「森とか山でオーイ!オーイ!って声が聞こえても近づくなって話」
「げっ!」
「ねー」
「ホラーじゃん」
お題『遠くの声』
「春だねー」
「そうね。暖かくなったし、くしゃみも出しる」
「出汁る。ウケる」
「この時期は大変なのよ」
「そうそう、その辺の鳥がピーチクパーチクしてるのも春っぽくない?」
「そうねー、でも」
「でも、何?否定から入るのは良くないって」
「あら、それは申し訳ございません」
「そこまで謝れることでもない」
「まあ、嫌味だからね」
「」
「」
「なるほど」
「」
「それで、こっちも否定から入ったのは良くなかった。ごめん」
「特別に許してあげるけど、次はないかもよ」
「ごめんってば」
「まあ良いでしょう。そう、鳥の鳴き声には意味があるのよ。最近の、流行りの本で知ったの」
「そりゃー、あんなにピーチクしてて同じことを言ってたら大変かも知れないけど」
「あら、同じことを言ってるかも知れないわ」
「へえー、たとえばどんな?」
「こんな風に外敵がいなくて、春で、餌も豊富で、異性がいたらやることはひとつでしょう?」
「へいへい、そこの彼女〜。みたいな?」
「あなたにしては冴えてるわね」
「へー、ピーチクパーチク」
「あら?あなたにしては積極的ね。ピーチクパーチク」
「ピーチクパーチク」
「ピーチクパーチク」
お題『春恋』
「これが俺たちの未来図だ!」
「なによ?いきなり最終回打ち切りエンドみたいなの」
「いや、つまりこれはメタな視点で見るとだな」
「見ると?」
「これから先は未定!つまり我々は何者にでもなれるのだよ」
「そうね」
「そうだろう」
「そうね」
「そうよ」
「そうね」
「ごめん」
「何が?わたしに謝るような悪いことをしたのかしら。あなたは」
「ごめん」
「でも、いいわよ」
「あなたと一緒に白地図を埋めたりするのも楽しそう」
「え?」
「ええ?」
「えええ?」
お題『未来図』
「あのさー」
「なに?」
「あれ、あれ」
「あれ?あれって何?」
「なんだっけ、あのダーツでどっか行くやつ」
「ああ、あれね」
「そうそう」
「それで、そのあれがどうしたの?」
「いや、春だし旅に行くのも良いかなって」
「そう。行ってらっしゃい」
「え?」
「だから、行ってきたら良いじゃない」
「いや、だから、あの、、その」
「お金なら少しは貸してあげるわよ?」
「うーん、それはそうなんだけど、ちょっと違う」
「何が違うの?少しじゃダメってこと?」
「いや、その」
「なにが園?」
「そうじゃなくて、一緒に」
「ああ、エア友とでも行ってきたら」
「ガーン!」
「ちょっとわざとらしい表現してみた」
「それはそうと、どうして?」
「春だし、卒業旅行なんて良いかなーって」
「あら、わたしと何か卒業したいの?」
「」
「」
「」
「」
「どこへ連れてってくれるのか楽しみだわ」
お題『どこへ行こう』
「メタな視点で言うとさー、このお題ってやつは流行り物とか季節のなんかを入れてるわけだよ」
「ふんふん、それで?」
「おそらくだけど、この今回のお題の『ひとひら』っていうのは散る桜の花びらなんだと思う」
「うん、それはわかるような気がするけど」
「そう、その桜の散るのがっていうと、我々は東京に住んでるわけじゃない」
「そうだけど、この話って関係があるの?」
「そこがポイント!だってうちらのあたりだとさー、桜が散るのってどちらかと言うと先週でしょ?」
「言われてみれば。昨日の雨でも桜が散っちゃったけど、先週の方が桜吹雪って感じだった」
「それで、最初のメタな視点の話に戻るわけだ。つまりこのお題を選んだ人は私たちより寒いところか桜の散るのが遅いところに住んでいる」
「はっ!言われてみれば」
「つまり、複数人かつ別々の環境の人を撰者にしていないと思わぬところからいろんな情報が漏れてくるわけだ」
「へぇー」
「逆に言えるのは創作でもそういった環境の情報を与えることで、その人の成り立ちや住まい、生活習慣、いろんなことを表現できることでもある」
「なんか上手くまとめたね」
『ひとひらの創作論』
お題『ひとひら』