書く—書いた記録

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「春だねー」
「そうね。暖かくなったし、くしゃみも出しる」

「出汁る。ウケる」
「この時期は大変なのよ」

「そうそう、その辺の鳥がピーチクパーチクしてるのも春っぽくない?」
「そうねー、でも」

「でも、何?否定から入るのは良くないって」
「あら、それは申し訳ございません」

「そこまで謝れることでもない」
「まあ、嫌味だからね」

「」
「」

「なるほど」
「」

「それで、こっちも否定から入ったのは良くなかった。ごめん」
「特別に許してあげるけど、次はないかもよ」

「ごめんってば」
「まあ良いでしょう。そう、鳥の鳴き声には意味があるのよ。最近の、流行りの本で知ったの」

「そりゃー、あんなにピーチクしてて同じことを言ってたら大変かも知れないけど」
「あら、同じことを言ってるかも知れないわ」

「へえー、たとえばどんな?」
「こんな風に外敵がいなくて、春で、餌も豊富で、異性がいたらやることはひとつでしょう?」

「へいへい、そこの彼女〜。みたいな?」
「あなたにしては冴えてるわね」

「へー、ピーチクパーチク」
「あら?あなたにしては積極的ね。ピーチクパーチク」

「ピーチクパーチク」
「ピーチクパーチク」


お題『春恋』

4/15/2025, 10:44:16 PM