5/19/2023, 5:11:39 PM
帰宅したときには、既に腹を見せて浮かんでいた。
何も知らないエアーポンプは泡を吐き出し続けている。逆さまのオレンジの体。大きな目ん玉を凝視する。
「可燃ごみだってさ」
役所で貰った分別マニュアルを片手に声をかけるも返事は無い。どうせなら丁寧に捌いて食ってやろうか。そう考えたけれど、あの世で泳げないと可哀想だからやめた。
「収集明日じゃん」
傍にあったコンビニの袋の中を覗いたら、昨日食べたおにぎりの包装紙が見えた。どういう訳か急に胸の奥が熱くなって、視界が滲んできた。
「あんまりだわ」
返事は無かった。
エアーポンプはまだ泡を吐いている。
(突然の別れ)
5/18/2023, 4:07:13 PM
君が笑って、
私も笑って。
こんなシンプルなことすら
叶えるのが難しいなんてね
小学校では教えてもらえなかったなあ
(恋物語)
5/17/2023, 7:32:29 PM
せーの、の合図で
みんな一緒に眠ってみたら
どれだけ大きな夢ができるんだろう
天井のLEDライトに目を焼かれながら
きっと優しい世界を想像する
(真夜中)
5/16/2023, 11:10:35 AM
君の部屋に似合うだろうと
タンポポの細い首を折る
(愛があれば何でもできる?)
5/16/2023, 1:43:13 AM
過去の私から贈られた
鋭いナイフ
(後悔)