全くの初対面だった。
たまたま同じ学校に入って、たまたま同じ学年で、たまたま同じクラスで、たまたま隣に並んだだけ。
はじめて交わした挨拶は「あっ、おねがいします…」
話していくうちに趣味が合うことがわかった。
話していくうちにパズルのピースがカチリと嵌るような感覚があった。
「ねぇ、友達になりませんか?」
一言一句違わずに、同時に言った事に、私も相手も驚いて、顔を見合わせてクスクスと声を抑えて笑ったっけ。
「よく覚えてるねぇ、私は忘れちゃったわ」
隣でお酒をあおる親友はニヤニヤしつつこちらを見る。
「でも、あんたは私の一生の友達よ、おばあちゃんになっても遊びましょ」
出会ってから10年以上たっても変わらないこの友情は、きっと墓に入っても、次の人生でも変わらない。
思いつかないので保存用です、あとで編集します
お題「行かないで」
本日、雲一つ無い晴天なり。
このどこまでも遠く、青く澄んだ空を見ると思い出す。遠くにいる友のことを。
飯は食えているのか、ちゃんと眠れているのか、病気などはしていないだろうか。
そんなことを言えば「母親のようなことを言うな」と鬱陶しがられてしまうだろうか。
あぁ、久しぶりに会いに行ってみよう。
そして、迷惑そうでどこか嬉しそうな友の顔を拝んでやるのだ。
彼奴の好きな空色の琥珀糖、それと彼奴の好きな酒でも持って、電車に揺られて会いに行ってやろう。
思い立ったが吉日だ、旅支度を始めよう。
どこまでも青く続く空
衣替え
「おかあさーーん!ハサミってどこ〜?!」
「朝っぱらから大きい声出さないの!お母さんの筆箱の中にあるわよ!」
「ごめんなさーい!ありがと〜〜!」
慌ただしくハサミを取り、新しく買っておいた半袖のYシャツのタグを切る。
すでに桜は散り、青々とした葉桜に通学路が変わる季節。今までより軽くなったスカート、スカートとおそろいの色をしたベストを着ると心なしか体まで軽くなったような気がする。
「昨日のうちから準備しとけよ〜妹よ〜」
ニヤニヤとこちらを見てくる兄に対してベーっと舌を出してやる。
「おい、もう家を出る時間じゃないか?」
新聞を読んでいた父にそう言われ、時計を見てみると7時丁度を指している。
「ホントだ!!!朝練!!!!」
慌てて玄関へ向かう。
制服よし、前髪よし、玄関に置いている鏡で全身をみて、リュックを背負って、履き慣れてきたローファーに足を通す。
「行ってきます!!!!」
みんなからの「行ってらっしゃい」の声を聞いてすぐに自転車へ飛び乗る。
すでに真夏のような暑さの中に少しだけ春の優しい暖かさを感じながら必死に足を動かす。
さぁ、学校まであと少しだ!