飛べよ。
いつも自分にそう思う。
さっさと飛んでしまえばって。
それは、遥か上に飛ぶのか。
それとも、遠い地面に堕ちるのか。
どっちでもいい。
このままいるのが一番苦しい。
だけど、僕には君がいる。
僕は、死ぬまで1人だと思ってた。
あぁ、君がいる。
一人じゃないのか。
だったら、空を目指さなきゃ。
間に合うのかな。
僕に翼はあるのかな。
余計に苦しい。
だけど、君には翼がある。
僕を置いていってもいいよ。
飛んで行って幸せになって。
僕はまた独りに戻るだけ。
だけど、飛びたい。
君と。
何をしても君の事ばかり。
それで、気づくのが遅れた。
バイクに乗って雲を見て。
やっと気づいた。
夏が来てたんだって。
でも、夏に君とは会えない。
会いに行っても会ってくれない。
周りには秘密だから。
夏なんていらない。
祭りの音や、蝉の声や、風鈴の音。
君に会うまで夏は好きだったのに。
君のいない時に聞く夏の音。
優しくて切なくて寂しい。
君と聞いたら。
でも、前に聞いた事がある。
君の好きな季節。
君は暑いのが嫌いなのに夏が好き。
でも、やっぱり君が好きなものは好きだよ。
波が来ない。
ボードの上でプカプカ。
サーフィンって待ち時間多いなぁ。
一人で広い海を眺めて。
新しい、ボード欲しいなぁ。
、、君は今何をしてるだろう。
あぁ、君と海を見たい。
今、見てる景色を。
手を繋いで。
海を眺める君に見惚れていたい。
波の音は、君の音。
小さくて早い君の心臓。
まだ、波は来ない。
カーテンのように光を遮って。
暗闇の中に閉じこもってた。
誰とも関わりたくない。
傷つきたくない。
それでも、開けてみて。
とても眩しい光に出会った。
夕日みたいな彼女。
優しくて、眩しくて、丸くて。
それで、あっという間に消える。
僕のカーテンは、夕日だけは。
彼女が消えてしまいそう。
不安になる。
だけど、夕日の溢れた光で閉ざした世界を見渡した。
それは、閉ざした世界より悲しくて寂しい。
でも、ちっぽけな僕は夕日に守ってって言われたから。
僕は、なれない世界を歩く。
だけど、夕日の隣にいる時は世界が明るい。
二人だけの世界。
最後の声はいつも同じだ。
可愛くばいばいって。
ばいばいっていいながら振る手に僕は見惚れてる。
こんなに綺麗なものに触れていたんだって気付かされる。
ばいばいの後、いつも半歩だけ近づく。
それで、僕も最後の声を出す。
またねって。
次を約束しようとして。