( たとえ間違いだったとしても。)
彼はそう言っていた。
そう言う事なら間違いだと気づいてる。
だからこそ不思議に思う。
なんで生きる世界が違う女性に惹かれるのだろう。
僕は止めることはしなかった。
止めても無駄だと思ったから。
数年後に彼はタバコを吸っていた。
雫がポタポタ。
あと少しで雨が降ってくる。
走れば間に合うが雨を待とうかな。
このまま濡れてお風呂に入ってお絵描きでもしようかな。
( 雨はまだかな。 )
( 何でも欲しい。)
これは何にもいらないと近い物がある。
許容量が決まってる。
結局、何かを諦めなければならない。
欲しい物がある他人が何でも欲しいとは言わないだろうから。
自分には何も無い。
なのに欲しいものも忘れてしまった。
何でも欲しくて何もいらない。
幸せすら欲しくない気がしてくる。
もしも未来が見れるなら自分の未来を見たい。
ただ、自分の人生が悲惨だったらどうしようか。
生きることをやめてしまうんだろうか。
自分の未来が明るい訳がない。
現在と未来が繫がってるならどうせ悲惨に決まってる。
( それでも、見たいと願ってしまう。 )
色が無い無色の世界。
イメージするのは白黒の映画。
でも、きっと無色の世界は白と黒もない。
何色も入ってないパレットのようなもの。
僕の周りが透明で自分のことすら見えない。
存在の証明が出来ない世界。
きっとその中で見た初めての色は灰色でも綺麗なんだろう。
今の世界は色に溢れてる。
元々は三原色だと信じれない程に。
この世界で輝ける色に自分はなれない。
ならば、せめて消えても分からない色になりたかった。
なのに中途半端な使えない色に生まれてしまった。
( それなのに赤色に憧れる自分は罪深い。 )