嫌いな人達を憎んできた。
でも最近は違う。
(憎しみが無い。)
そんな人間にはなりたくないと思っていた。
見下すために生きて、それで良いと思っていた。
それが、変わってしまった。
きっと良い事なんだと思う。
ただ、今の自分には何も無くなってしまった。
誰よりも、ずっと憎む事だけをしてきたから。
(これからも、ずっと変わらないでいて欲しい。)
言われた時に僕は君を嫌いになった。
今の自分は子供だと思っていたから。
( 変わらないね。)
久しぶりに会ったとき君はそう言ってきた。
自分では、良くも悪くも変わってしまった。
これからも変わるだろう。
けど、君から言われた (変わらない) の言葉が嬉しかった。
僕は、まだ自分で思うほど汚れてなかった。
いや、ただ隠すのが上手くなっただけかな。
今日は一人で沈む夕日を見に、出掛けた。
家は、海の近くで週に2回ほど見に行く。
このまま一日が終わるのが嫌な日に来る事が多い。
夕日を見てると嫌な事を忘れる事なんてない。
むしろ時間が遅くなって余計に考えてしまう。
(赤色)
感想を聞かれてもこれ位しか答えない。
でも、夕日は好きだ。
今日は、夕日を見ながらビールでも呑もうかな。
灰色の一日を赤色に変えるために。
君の目を見つめると僕が映る。
それが嬉しくて、つい見すぎてしまう。
(こっち見んな。)
(ごめん、ごめん。)
たまに怒られてしまう。
でも、君は口調と違って優しいからふざけてしまう。
(何を見てるの?)
(ホクロ)
(かわいい?)
(汚い)
(怒るよ?)
可愛いと言えばいいのに違うことを言ってしまう。
でも、ホクロは可愛くない。
ただ、君のホクロは好きだよ。
残業を終わせて急いで片付けてる時に星が目に入った。
なぜか、その時の星が綺麗で少しの時間眺めていた。
(すいません、鍵しめるんで帰ってもらっていいですか?)
(あ、すいません。どうぞ)
俺は、もう少しだけ星を見ていたかったが追い出されてしまった。
でも、俺は別に星に興味なんてないしロマンチストでもない。
ただ、その時の星が綺麗だったんだ。
帰路につく途中の道から見る星は遠くて味気ないけど、星を綺麗と思わなくなったら人間はお終いだ。
そんな事を考えながら俺は帰りのバスを待っていた。