5/28/2024, 2:03:52 PM
長袖しか着てこなかった。
腕を見せることが嫌だった。
見られたくなかった。
腕が太いからとか肌が黒いからとかそんな理由じゃなくてもっと、屈辱的なことは確か。
そんな誰にも言えない秘密を抱えて今日も半袖を棚の奥にし舞い込んだ。
《半袖》
5/26/2024, 1:39:28 PM
今まで私の恋は失恋ばかりを実らしてきた。
喧嘩してさよなら。
片想いでさよなら。
浮気されてさよなら。
そんな時、元彼が最後に言ってくれた言葉。
「満月の空に願いを言うと叶うらしいよ。厳密には満月の月に、だけど。俺とはダメでも次は実るといいね」
私を振ったけれど彼なりの最後の優しさだったのだろう。
「どうか。私の恋が実りますように。」
そう言って私は満月の空に願った。
《月に願いを》
5/25/2024, 1:00:13 PM
雨が長く続く。
空が声を上げて泣いているかのように。
その風景を窓越しに見ているとあの日を思い出す。
土砂降りの体育館裏。
「君より幸せにしたい相手が出来たんだ。」
そう言った後の彼の声は空の泣き声にかき消された。
ああ。
きっと、私は愛されない人だったんだ。
降り止まない雨のように永遠に愛されない。
《降り止まない雨》
5/24/2024, 2:02:01 PM
よく笑ってよく泣いたあの頃の自分。
それと比べて今は。
人の悪口に心を切り刻まれて人の妬みに心を締め付けられている。
あの頃のようにはもう、笑えない、泣けない。
涙を流す大人なんて見たくないし、なりたくない。
ああ。
あの頃に戻りたい。
《あの頃の私へ》
5/23/2024, 10:22:57 AM
「君は逃げられないよ」
そういう君の表情はなぜか悲しそうだった。
だって、私を閉じ込めたい訳じゃないだろうから。
「ごめんね、私は君のそばに自分の意思では居られないよ。」
そう言うと彼は私の傍を離れ部屋から出る。
扉を閉めて聞こえた音は鍵か掛かる音。
私は幸せだよ。
《逃げられない》