「......そっから見てるのは飽きないかい?」
......。
「そうかい、それならいいけど......」
......?
「何でかだって?それは......」
......
「楽しくなさそうだし」
「何より悲しいことだからさ」
......、
「うん、それがいいと思うよ。」
......!
「そうだね、そうしてみな。」
______......
「やぁ、久しぶり。何か見つかったかい?」
......、......!
「そうか、それは良かったよ。」
「ようやく見れたんだね、夢」
「......私からひとつ、助言を送ろう」
「最後まで”自分”を信じなさい」
「人を信じるのも大切だけれど」
「進んでゆくのは自分だけだからさ」
......。
「さぁ行きな、夢は......」
「すべてを楽しんだもん勝ちさ!!!」
雪の降る帰り道、
『生きているの』
彼はそう言って走り去った。
夕暮れ時の狭間で、
選択を間違えた気がした。
彼が夢を語った辺りから、
私は話半分で聞いていた。
夢はどこまで行っても夢であって、
今を生きている自分は、
今を生きる力しかないから。
夢を考えるのは見当違いだと、
そう思ったからだ。
彼の夢は、
物語じみた物を感じた。
彼の原動力はそこなのだと
そう感じるとても幻想的な夢だった。
今の私には眩しくて、
少し気が散ってしまったようだった。
今を生きる時間と、
夢を考え語る今、
重さはどちらも同じであった。
私の心には、
彼には酷く現実に見える考えがあった。
「未来を夢見る今より、
先を考え備える今を大切にしたい。」
私はそう答えた。
彼は目を丸くし、
少し俯いた。
そうして彼は言った。
「夢も私も、
生きているの。
生きていたら、
どう生きたいか、どう死にたいか
考えるものでしょう?
私は今、どう死にたいか喋っているの。」
彼はそう答えて走り去った。
驚きはなかった。
ただ静かに、
彼の走り進む音が聞こえた。
「これが消えたら寝ようかな。」
水面のように揺れていた。
少し赤く、見えていた。
見えたものは同じでも、
思う気持ちは違っていた。
幾度、すれ違った感覚を見送っただろう。
擦り切れてなくなる前に、
ただ、腹を据えて話してみよう。
半刻と過ぎ、すれ違いは終わった。
ポッカリ空いた心の穴は、
もう何も映さなかった。
蝋燭は消えていた。
意識が浮かび瞳が光を映す最中、
自分が光に包まれていることに気付く。
長いこと暗闇に身を置いていたらしい。
数度、眩しさに耐えながら瞬きをした。
今、私は知らない道を歩いている。
足元を照らす光がうっすら黄色を帯びながら、
微かな不安をさらってくれる。
俯きながら、自分は
自分は価値があるのか、と
死にそうな目で、思考を垂れ流していてた。
記憶は無情に過去を見せ、
過去は非情に自分を見せる。
いつもと変わらずにあればいいと、
何度、そうしようと思っただろう。
そうすればいいと、
何度、叫ばれたんだろう
足を止めた。
いつの間にか端に辿り着いてしまった。
呆然と立ち尽くした、
この先は、
暗く、未知数で、醜く恐ろしいものが
あるかもしれない。
そう考えて振り返った。
そこで終わった、終わってしまった。
光の回廊は続く。
己の醜さが、
光に照らされ色褪せるまで、
無情にも、続いてゆく。
それは
優しく、残酷で、
醜くも、美しい、
過去からの救済であった。
鈍く光るものを見た。
それは昨日、ひとつを諦めた自分だった。
明日やろう、そう言って目を閉じていた。
今まで幾度も見た光景、
後悔の念が渦巻く深層心理、
どうしようも無いと思ってしまうけど、
逃避をひとつ減らせば終わる後悔だと、
明日の私は知っている。
そうして私は目を閉じた。
明日を信じて目を閉じた。
昨日の自分に伝わるといいなぁ。