クリスマスプレゼント、親が貰って喜ぶ物とは何だろうか?
服とかは趣味が合わないし、欲しそうにしていた楽器は場所を取る。
この間の健康診断で、糖分塩分油分を控えろと医者に言われたので、お菓子や肉類は駄目。
トンカツとか酢豚とか食べたがるけど、鶏胸肉の素焼きで我慢してもらってる。
商品券とか現ナマは自分の為にとっておきなさい、と言われるだろうし。
花の好みも真逆、そしてペットがイタズラするから置けない。
う〜ん。
――タラバガニ、か?
いや、でも、枕元にタラバガニは、ちょっと……。
いや、まてよ。
足元ならイケるか?
テーマ「とりとめもない話」
腹は膨れない。
病気は治らない。
寒さは凌げない。
役に立たない愛よりも、金が欲しい。
そう願うのは可笑しなこと?
テーマ「愛を注いで」
何か重たい物を下ろす音と共に「ただいまぁ」と君の声がした。
それっきり、リビングに来る気配がない。
なんだ?
キッチン横の洗面所の引き戸から廊下へと顔を出せば、見知らぬ大きな段ボール箱にだらりと凭れている君。
今度は何を持って帰ってきたんだ?
重そうな段ボール箱をズリリ……、と押しながら目の前までやって来た君に問えば、何時ものへにゃへにゃな笑顔が返ってきた。
勤めている店のクリスマスツリーを新調したとかで、今までお店で使っていた方を貰って帰ってきたそうだ。
これで我が家の質素なクリスマスが一気に華やかにゴージャスになるよ!
なんて君がウキウキしながら早速リビングで、バラバラになっているツリーの白い骨組みを繋げていく。
「新しいのは幹のとこまでホワホワァ〜って光るんだよ!それがすっごく幻想的でね綺麗!」
ふふふ、と思い出し笑いをしながら組み上がった真っ白なツリーを「よいしょっ」と立たせれば。
「星、つけられないな」
「うそっ!?」
天辺の一枝が僅かに天井に触れていた。
テーマ「部屋の片隅で」
なんてタイムリーなお題。
今まさに風邪引いてるよ。
鼻水と喉痛、軽いめまい。
夕方から関節が痛みだして、咳もたまに出るようになった。
薬が切れてこの時間に目が覚めたのか、神経が切り替わる時間帯だから息苦しくて目が覚めたのか。
よくわからないが、市販薬で治っておくれ。
この『微妙』な時期に、病院には行きたくないの。
テーマ「微熱」
掃いても掃いてもパラパラ落ちてくる落ち葉。
黄色、茶色、焦げ茶色、たまに鮮やかな朱色の葉っぱ。
それらに紛れてタバコの吸い殻、飴ちゃんが包まってた包み、と飴ちゃん本体。
あーあ、落としちゃったのね、とクスリと笑いながらササッと掃いてチリトリの中へ。
もう秋も終わりだねぇ、なんて独り呟きながら、はらりと落ちた山茶花の白い花弁を拾った。
テーマ「落ちていく」