しじま

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何か重たい物を下ろす音と共に「ただいまぁ」と君の声がした。

それっきり、リビングに来る気配がない。

なんだ?

キッチン横の洗面所の引き戸から廊下へと顔を出せば、見知らぬ大きな段ボール箱にだらりと凭れている君。

今度は何を持って帰ってきたんだ?

重そうな段ボール箱をズリリ……、と押しながら目の前までやって来た君に問えば、何時ものへにゃへにゃな笑顔が返ってきた。

勤めている店のクリスマスツリーを新調したとかで、今までお店で使っていた方を貰って帰ってきたそうだ。

これで我が家の質素なクリスマスが一気に華やかにゴージャスになるよ!

なんて君がウキウキしながら早速リビングで、バラバラになっているツリーの白い骨組みを繋げていく。

「新しいのは幹のとこまでホワホワァ〜って光るんだよ!それがすっごく幻想的でね綺麗!」

ふふふ、と思い出し笑いをしながら組み上がった真っ白なツリーを「よいしょっ」と立たせれば。

「星、つけられないな」

「うそっ!?」

天辺の一枝が僅かに天井に触れていた。

テーマ「部屋の片隅で」

12/8/2024, 5:49:02 AM