地獄、地獄、地獄……、あっ天国、地獄……。
魂の選別もラクじゃない。
次から次へとジャンジャン来る魂を手に取って、ナカを覗き込む。
カラフルでキレイな魂は天国へ、なんか汚い感じの魂は地獄へと、生前の善行悪行など関係なくポイポイと投げていく。
地獄、地獄……、地獄地獄、天国、じご……あっ、まいっか、地獄、地獄。
地獄に送られた魂は、再利用出来るまで濯いで濯いで濯ぎまくる。
そうしてキレイになった魂を、天国に送られ軽く濯がれた魂と一つに混ぜ合わせて、必要な数に分けたらまた出荷する。
間違えて地獄に送られてしまったキレイな魂がどうなるか知ってるかい?。
濯がれ過ぎて、砕けて消えてしまうんだ。
キレイな魂ってのは脆いからね。
テーマ「天国と地獄」
雲一つない真っ青な空の天辺に月が浮かんでいた。
白殺し色の昼の月。
私の一番好きな月だ。
こんなに美しいのに、誰も見向きもしない。
皆忙しなく目的地に向かう、無感情に機械的に。
誰も見向きもしない、真っ青な空から降り注ぐ無数の隕石を。
輝きもしない朧げな彼の月は、地上を蠢く人々の仕舞を静観している様に見えた。
テーマ「月に願いを」
ここのところ君は、心此処に在らずで。
ねえねえ、と擦り寄っても、背中をフミフミしても、君は身動き一つしない。
死んじゃったのかな。
心配になって君の鼻をスンスン嗅ぐ、大丈夫だ生きてる。
うん、どういうこと?
君のまわりをグルグル、思考もぐるぐる。
わけがわからない、後ろ足で耳の後ろを掻き、次いで肉球を舐める。
後ろ足を踏ん張って、背を丸めて腹の毛を舐めて整える。
もう一度、君を見るけど相変わらず動かない。
テーブルの下に行き、水皿を見ると空っぽ。
カリカリの皿も空っぽで、ひっくり返ってる。
そういえば、最後に食べたのはいつだっけ。
ご飯が無いよ、と鳴くが君は動かない。
まるで、僕の声が聞こえていないみたいだ。
ああ、そうか僕。
死んじゃったんだ。
テーマ「いつまでも降り止まない、雨」
もう昔言われたことに腹を立てて、当たり散らすのは止めろよ。
後ろなんて振り返っても何にもないんだから。
俯くな、見上げるな、前だけを見ろ。
腐るな、流されるな、踏ん張れよ。
自分の力で、足で、歩いていけ。
もっと自分を信じろ。
テーマ「あの頃の不安だった私へ」
アロマンティック・アセクシャル。
恋愛ドラマは気色悪い上に意味不明だし、キスシーンは吐き気を催す。
俳優の結婚はめでたく思う、不倫は許せないとも思う。
恋愛的性的に誰かを好きにならない、というより理解できない。
親にも友達にも言ったことはない。
100%理解されないから、時間の無駄。
変な宗教とか病院とかに連絡されても困るし。
こういう人、かなり居ると思うよ。
誰だって『汚物』ぶち込まれたくないでしょw
テーマ「逃れられない呪縛」