しじま

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4/22/2023, 7:13:15 AM

 買い物帰り、商店街を抜けていつもの坂道を上がっている時。

さあっ、と生暖かい風が吹いたと思ったら雨が降ってきた。

 ええ、晴れてるのに?と思わず天を仰ぐ。

青い空からキラキラと、光りながら降りそそぐ雨に思わず、きれい、と呟いた。

もう少しだけ見ていたかったが、洗濯物を干していたのをハッと思い出し、帰路を急ぐのだった。

テーマ「雫」

4/21/2023, 7:49:49 AM

 突き刺さるような熱い太陽光に曝されて、湿ったハンカチを扇子代わりにしながら、陽炎揺らめく交差点に歩を進める。

車道との境界に植えられたツツジの白い花に元気を貰いながら、あと少しあと少しと、人通りの少ない歩道を歩く。

 舗装が簡素なものに変わり、少ししたところ、木々の合間に石の鳥居が見えてきた。

手前の自販機でメロンソーダを買って、プシっとキャップを開けて呷る。いきかえる。

 鳥居の前で一礼、石畳の端を歩く。

ひんやりと涼しい空気に、まるで別世界のようだとググーっと背を伸ばす、ついでに欠伸も一つ。

誰もいない、静かな神社の境内をのんびりと回る。

 本坪鈴をカランカランと鳴らして、一礼二拍手一礼。

 お願いごとは、特にない。

テーマ「何もいらない」

4/19/2023, 3:03:13 PM

 もしも未来を見れるなら。
今日は、学校を休んでゲームでもしよう、とあの子に言っただろう。

 もしも未来を見れるなら。
あの日、母の大好きな甘い甘い和菓子を、一緒に食べただろう。

 もしも未来を見れるなら。
あの時、見知らぬ人の手を取って、高台に逃げただろう。

 もしも未来を見れるなら。
あの夜、電話越しに感じた、友の悲しみに寄り添っただろう。

 もしも未来を見れるなら。
藻掻きながら苦しみながら、這いつくばってでも生きることは、しないだろう。

テーマ「もしも未来を見れるなら」

4/18/2023, 1:59:54 PM

 朝一番に君にキスをして、おはようと笑いかける。

ご飯を二人で食べて、並んで洗い物をして、二人で出掛ける。

 繋いだ手をプラプラ揺らして、雑貨屋や服屋で買い物して、小洒落たカフェで休憩しつつ早めのランチを食べる。
一口あげたり、もらったりと、カフェ中にバカップルぶりを見せつけちゃう。

 お腹を満たしたら映画館で映画を見る、もちろん席はペアシート。

ゆったり寛ぎながら流行りのアニメ映画やら邦画をたくさん見る、けど最後は寝ちゃってて、呆れながら君が起こしてくれる。 欲を言えばココでキスしてほしい。

 夕焼け色に染まる商店街を、今晩のおかずを考えながら二人並んで歩く。

 君の屈託のない少年のような笑顔。
眩しくて温かい笑みに、心が疼いた。

 この世界なら、この無彩色の世界なら、君と二人、自由に生きていけるのにね。


お題「無色の世界」

4/17/2023, 7:33:32 PM

 死は救済だ。

そう言えば、きっと何人かの人は賛同し、それよりも多くの人が非難するだろう。

或いは、意味を理解出来ずに明後日の方向へと言及するだろうか。

それとも、正義気取りで聴くに堪えない罵詈雑言を囃し立て、悦に浸るのだろうか。

 死は救済だ。

皆が正しく意味を理解出来たならば、きっと全てがうまく回るだろう。

テーマ「桜散る」

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