しじま

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 突き刺さるような熱い太陽光に曝されて、湿ったハンカチを扇子代わりにしながら、陽炎揺らめく交差点に歩を進める。

車道との境界に植えられたツツジの白い花に元気を貰いながら、あと少しあと少しと、人通りの少ない歩道を歩く。

 舗装が簡素なものに変わり、少ししたところ、木々の合間に石の鳥居が見えてきた。

手前の自販機でメロンソーダを買って、プシっとキャップを開けて呷る。いきかえる。

 鳥居の前で一礼、石畳の端を歩く。

ひんやりと涼しい空気に、まるで別世界のようだとググーっと背を伸ばす、ついでに欠伸も一つ。

誰もいない、静かな神社の境内をのんびりと回る。

 本坪鈴をカランカランと鳴らして、一礼二拍手一礼。

 お願いごとは、特にない。

テーマ「何もいらない」

4/21/2023, 7:49:49 AM