【後悔】

【忘れられない、いつまでも】

僕の初恋の日は、9月。―――あの雨の日。
あのときあなたに出会わなければ、
僕は今でも恋も愛も知らなかっただろう。

長い長い年月の中で、幾重もの変遷の中で、
そのかたちは歪んでしまい、跡形もないけれど、

あなたにもらったこの綺麗な想いだけは、
堕ちていくこの道が果てるその終わりまで、
僕の胸の重石となり深くこの身体を沈めるだろう。

【初恋の日／Akantha】

同じ年、同じ月の、同じ日に、
僕と君は同じ母から生まれた。

鏡越しの自分を見るように、
同じ顔の僕と君は手を合わす。

同じようで違う、僕と、
違うようで同じ、君は、
ともに同じ感情を抱いた。

「これは二人だけの秘密だよ」

そう互いの口から囁やきあって、
やがて触れ合ったくちびるから、
同じだけの体温を分かち合った。

【二人だけの秘密／Ēlusion】

今さら優しくなんてしないで。
恨みから始まったあなたへの感情は、
最期のときまで恨んで終わらせたい。

僕に触れる手も、吐息も、声も、
温かなぬくもりなど一切感じさせず、
ただ虚ろに身体を暴いていればいい。

もしもあなたへの恨みを無くしてしまえば、
あの日の豪火が僕のすべてを焼き尽くす。

もしもあなたの罪を赦してしまえば、
あの日の悲鳴が非難に変わる。

そして…もしもあなたを愛してしまえば、
僕は自分で自分の翅をもぎ取ってしまうだろう。

僕とあなたの間に《そんなもの》はいらない。

【優しくしないで／Ēlusion】