コンコン
午後イチのノックの音
一体誰かしら?
昨日庭にいた子リスかしら?
それとも迷子の子犬かしら?
コンコンコン
さっきより強いノックの音
あらあら、そんなに急かさないで。
覗き穴から覗いてみれば
そこには隣の坊ちゃんが
花束抱えて立っていた。
「街で見て、あなたに似ていると思ったんだ」
あらまあ!嬉しいわ!
ねぇ少し寄って行かない?
ちょうど今クッキーが焼けたの。
そのお花はテーブルに飾りましょう。
そしてお話ししましょう。
きっと、きっと楽しい時間になるわ。
テーマ『誰かしら?』
とさりと枝に残った冬の最後のカケラが落ちる音で、
巣穴で眠る子熊の兄弟の末っ子が目を覚まします。
「うぅん……誰だい僕を起こしたのは」
外を覗けばあたたかな日差しと鳥の声。
眠る前には沢山あった、
白くて冷たい雪はもうほとんどありません。
足を一歩踏み出せば、
小さな草が子熊の足先をくすぐりました。
「春だ!春が来たんだ!」
子熊は嬉しくなって駆け出しました。
「おぉい皆、春だ、春だよ!」
木の上から寝ぼけ眼のリスが顔を覗かせ、
足元で眠る植物達も目を覚まします。
「春だって?」
「本当だ、あたたかい。春が来たぞ」
「さあ顔を出せ、芽吹のときだ」
声を掛け合い、地上に手を伸ばす植物達。
もうじきお山はまた賑やかになるでしょう。
テーマ『芽吹きのとき』
君は覚えているだろうか。
満天の星空の下、笑いながら語り合ったあの日を。
声をあげて泣く君を抱いた、あの日の温もりの事を。
どうか忘れないで欲しい。
遠く離れても私の心は共にある事を。
どうか健やかに生きて欲しい。
君の心が青空のように晴れやかである事を、私はここでずっと願っているから。
テーマ『あの日の温もり』
「cute!」
また誰かが君を賛美する。
当たり前だ。
誰よりも純粋で、愛らしくて、人の事を第一に考える。
そんな君が愛らしくない訳がない。
誰もが君を好きになる。
「……でもね」
「私が好きなのは君だけだよ」
そう言って笑う君の笑顔は、やはり最高に可愛かった。
テーマ『cute!』
木の葉一つ、はらりと舞った。
夕暮れに染まる街で
今日の思い出を纏いながら
黄金にその身を輝かせ
くるりくるりと
落ちていく。
一つ、また一つと
風に背を押されては
その身を宙に踊らせゆく
その様を誰が憐れと思おうか。
テーマ『落ちていく』