夜凪

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10/20/2024, 7:18:40 AM

はじめに生まれてから今日に至るまで
幾つの出会いと別れがあっただろう。
見知らぬ街の角で
遠い昔愛し合った君とすれ違った。
また先の時代で縁が巡り合うのなら
その時には最期まで隣に居たい。


テーマ『すれ違い』

10/13/2024, 5:16:51 PM

子供のように、無邪気に
笑えたのはいつまでだっただろうか。

子供のように、純粋に
夢を追えたのはいつまでだっただろうか。

いつの間にか大人になって、過ぎゆく日々をただ見送って
その身を繰って、働いて、眠って、働いて。

生きることは、あの頃想像していたより遥かに難しく
目指していた場所はあまりにも遠く。

それでも生きることはやめられず、日々足掻く。

そんな人々に、自分に、どうか多くの幸いを。


テーマ『子供のように』

10/8/2024, 5:25:49 PM

渦巻く感情の波に囚われた時は、
目を閉じて、耳を塞いで、心を遠く遠くへと飛ばす。
どこがいいか。南の島……では平凡か。
月の裏側の湖で光る水面を眺めたら、
白い魚がパシャリと跳ねた。

日々は絶え間なく、緩やかに死へと向かう道筋。
その途中で、こうした束の間の休息を摂ることも
そう悪くは無いだろう?

明日もまた笑えるように、日々が優しく彩られるように。
そう願えたら、もう眠りに落ちるだけ。


テーマ『束の間の休息』

10/6/2024, 2:08:34 PM

明けゆく空の境界をなぞる鳥を眺めながら
自室のベランダで煙草に火をつける。
上手く寝付けなかったからか、妙に感傷的な気分になって
まだライターのつけ方も覚束なかったあの頃を思い出す。

「へったくそだなぁ。貸してみ?」
そう笑って私からひったくったライターに
慣れた手つきで火を灯し己の煙草に火をつけてから
「ん」
とあんたはそのまま顔を近づけてくるもんだから
私はついドギマギとしてしまって。
その時吸った煙草の味なんてとてもしやしなかった。

あれから私も老いて、この街で1人生きている。
あんたの教えてくれた煙草はきっと死ぬまで手放せないだろう。


テーマ『過ぎた日を想う』

7/20/2024, 11:15:56 AM

最初に私の名前をつけたのは母か
それとも父か。

もう思い出せもしないその名に
どのような意味が込められていたのか。

少なくとも私はその名に
相応しい生き方などして来なかっただろう。

「○○!」

私を呼ぶ君の声がする。

そうだ。

君が私をそう呼んだ日から
私の本当の人生は始まったのだ。


テーマ『私の名前』

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