夜凪

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5/1/2024, 9:43:40 AM

悲鳴、火、硝煙の匂い、逃げ惑う人々。
名ばかりの楽園は今この瞬間地獄と化した。
「ここも、駄目だった……」
隣にいた誰かがそう呟く。
その通り。
楽園なんて最初からどこにも無かったのだ。


テーマ『楽園』

4/29/2024, 10:39:47 AM

ふぅと息を吹きかけた綿毛が風に乗って飛んでゆく。
そのまま君のところまで飛んでいけ!


テーマ『風に乗って』

4/22/2024, 10:25:03 AM

「ねぇ、このまま一緒にいこうか」
ろくでもないことをまた言い出したと溜息を吐く。

そんなこと、これっぽっちも思っていないくせに。

気まぐれに振り回させるのはうんざりだ。
どうせすぐに「嘘だよ」と言うんだろう。

この日々が永遠でないことは充分分かっている。
分かっていてもその手を振り解けないのは、
どこかで己もまた望んでいるからだ。

だから、今日も手を取ってしまう。
この選択がたとえ間違いだったとしても。


テーマ『たとえ間違いだったとしても』

4/22/2024, 7:57:33 AM

天から落ちた雫の粒が地上の花の手に優しく触れて、
「こんにちは、そしてさようなら」
と言って地面に吸い込まれて消えました。
花はその身を震わせ、地面に向かって囁きました。
「ありがとう、キミのおかげで僕は今日も生きていける」
そうして陽の光を浴びる為、両掌を目一杯広げたのでした。


テーマ『雫』

4/20/2024, 3:40:12 PM

そう言えてしまえたら楽だった。

そう吐き捨てれば良かった。

そう言い切るには僕は持ちすぎた。

いらない、なんてもう言えないよ。

それでも捨てたくなるのは僕が強欲すぎるだけなんだろう。


テーマ『何もいらない』

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