4/17/2024, 10:43:26 AM
ひらりひらりと
河津桜の今年最後の花弁が
君の面影をなぞって
風に溶け消えた。
はらりはらりと
透明な花弁がその跡を追うように
私の眼から頬をなぞって
足元に散り落ちた。
テーマ『桜散る』
4/11/2024, 10:35:46 AM
言葉にできない感情がずっと
頭の中で渦を巻いて
ぐるぐるぐる
赤い魚が横切るのを見送る
私は蹲っている
ぐるぐるぐるぐる
夜はまだ明けない
テーマ『言葉にできない』
4/7/2024, 5:18:31 AM
君の目は橄欖石
あるいは初夏の木漏れ日のよう
見つめているとなんだかどうしようもなく
君の優しさに甘えてしまいたくなるんだ
じっと目を離せないでいたら君が気づいて
緩やかに目を細めて笑うもんだから
泣きそうになるのをグッと堪えて
歪な笑顔を返すのが精一杯だった
テーマ『君の目を見つめると』
4/6/2024, 5:20:27 AM
「あ!流れ星」
そう言って君は空を仰ぎ見る。
少し後ろに立つ俺を振り返り
「綺麗だね!」
と笑う君の屈託のない笑顔が
星空に負けないくらい眩しくて
「そうだな」
とたった一言
目を細めながら返す事しか出来なかった。
テーマ『星空の下で』
4/5/2024, 1:57:14 AM
朝、目蓋を開き
カーテンの隙間から漏れる光の色に
今日の天気を予想する。
はだけた毛布を脇に寄せ
フローリングに爪先の温度を移しながら歩む。
蛇口から溢れる水を空のコップに注ぎ入れ
ひとくち含みほぅと息を吐く。
そんなありふれた特別でない1日の始まりを
穏やかな気持ちで過ごせたのなら
それでいい。
それが、いい。
テーマ『それでいい』