2/1/2024, 11:17:35 AM
見渡す限りの草原に一台のブランコが立っていた。
風が吹けばブランコの錆びた金具がキィキィと鳴った。
古びたブランコに乗る人は誰も居なかった。
けれども、ブランコはちっとも寂しくなかった。
草原を渡る穏やかな風と、頭上に広がる美しい空があって。
ブランコを雨から守ってくれる優しい木と時折足をくすぐるイタズラ好きな花や草が居て。
ブランコはそれだけでとっても幸せなのだった。
今日も草原からはキィキィと幸せそうに笑うブランコの声が聞こえる。
テーマ『ブランコ』
2/1/2024, 3:24:13 AM
歩いてきた。
永遠にも感じる時の中を。
この旅に果てなど無いと思っていた。
走ってきた。
数多の挫折の上を。
強くなっていつか君を助けたいと思った。
手を差し伸べた。それは気まぐれだった。
その手を取った。君が1人にならないように。
手を離した。貴方の幸せを願っていた。
再び君へ手を伸ばした。幾つもの夜を越えて。
今度は離さないと強く強く握りしめた。
そうして今、
ここが旅の終着点なら
君が 貴方が
こうして隣で笑っている。
それだけでもう充分すぎるくらい
ハッピーエンドだ。
テーマ『旅路の果てに』