好き、嫌い
君の笑っている顔が好き。見てるとこっちも笑顔になれるから。
君のふとした時に見せるその顔が嫌い。悲しそうな、怒っているかのような顔は見てるだけで苦しくなるから。
君の話してる声が好き。聞いてると心地よくなれるか
ら。
君の小さな声が嫌い。苦しそうに声を押し殺し、肩を振るわせている君を見ていると悲しくなってしまうから。
君と一緒にいられる時間が好き。君といると楽しい時間を過ごすことができるから。
君と一緒にいる時間が嫌い。私といると君が苦しんでしまうから。
君のことが好き。私の話を笑って聞いてくれるから。私の知らないことを教えてくれるから。私を楽しませてくれるから。
君のことが嫌い。私のせいで苦しいはずなのに、それを私に隠そうとするところ。涙を流そうとしないところ。本音を言おうとしないところ。
君のことが好きでした。いつか会えたのならその時はまた話がしたいです。
君のことが嫌いでした。いつか会えたのならその時は君の隠し事に気づいていたことを全部君に伝えたいです。
だからそれまでは、どうかお元気で
雨の香り、涙の跡
雨の香りがするたびに、君のことを思い出す。
雨が降ると、君はいつも嬉しそうだった。
「雨が降った時の匂いが好きなんだよね」
少し変わっているかもだけど、と言いながら笑う君の顔を今でも忘れられずにいる。
梅雨に入ったばかりの日だった、君が僕の手の届かないところに行ってしまったのは。
君との最後のお別れの時、雨がざあざあと降っていて、このままやまないでほしいなあと思ってしまった。そうしたらこの涙の跡も雨に濡れてしまったせいだと誤魔化せるのに。
僕は雨の香りが嫌いになった、君がいなくなった時のことを思い出してしまうから。
雨の香りがするたびに、君のことを思い出す。
いつか好きになれたのなら、その時は君のことを思い出すことができるのだろうか。